表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

第8章 修羅生死時代の僕

ソロライブをやることが決まり、僕はこの間に、失った友のために作った曲、「祈り」のCD-Rを作った。


録音とアレンジだけは、その時のギターの人に頼んだ。


僕は「祈り」のデモテープをバイト先で知り合ったミュージシャンたちに聴いてもらい、アドバイスをもらって、自分なりにアレンジしたが、でも、納得がいかなかった。

そのためにギターの人にアレンジしてもらったのだが、僕のイメージとはかなり違う曲になっていた(スペインの民謡みたいな感じ)

だが、時間がないため、仕方なく、このメロディーで歌う事にした。


そして病気の会の日が来た。


僕はプログラムを作っている人に、「名前は修羅生死でお願いします」と頼んだ。


この時は気づかなかったし、回りも何も言わなかったが、病院では死という言葉はタブーである。

だが、常識のない僕はその時は分からなかった。


「祈り」のCDも配布、販売した。(患者には無料で配る予定だったが、中には感動したからという事で、払ってくれる人もそれなりにいた)


僕は病院にいく前に、メイクをして病院に行った。

そしてソロライブを30分くらいやらせていただいた(即興だった事もあり、かなりミスをしてしまったが)


僕はその時のバンドを脱退し、新たなメンバーを探した。


だが、僕の光り輝いた時代もすぐに終わる。


狭窄がひどくなり、僕は3回目の手術も近いと思えた。


そしてこんな状況では格闘技をやり続けるのは無理だ。


僕は引退前に、弟がどれだけ強くなったか知りたくて、家でルール無しの喧嘩試合を行った。


結局僕は彼に負けた。


また十代のとき兄貴と喧嘩や組み手をしても、一度も勝てなかったため(兄は関節技がうまい)僕が三兄弟で一番弱いと決定した。


試合のあと、当然体調が悪くなった。

激痛と嘔吐、さすがに救急車を呼ぼうと思ったが、何とかその日に回復した(この年にはじめて救急車に乗り、そして何度乗ったか忘れるくらい乗った)


結局、何度も自宅と病院を通い、3回目の手術をすることにした(この時、そうめんか何かを食べて詰まってしまったのだ)


退院後、僕はまた遊び人に戻り、修羅生死と云う名がふさわしい人間となっていった。


空手も「見学だけでもいいから来い」と館長に言われたが、いつの間にか僕は道場に行かなくなった。


仕事も適当にやるようになった。


さらに気づけば借金が3百万以上あった。


仕事で稼いで返すという考えはなくなり、ギャンブルでいつか返そうと考えていた。


だが、親にばれて、勘当されそうになったが、病気のこともあるということで、許してもらい、父親がすべて返済してくれた(今も僕は父への借金が返せていない)


仕事のほうも適当にやっていたため解雇された。


僕は生きる希望を失った。


当然、その時つるんでいたヤンチャ仲間と縁を切ったのだが、裏切り者扱いされ、携帯の留守電には脅しのメッセージが、また自宅前で待ち伏せされた事もある

この事を警察に相談したが、自業自得、「どこか遠い場所へ引っ越すのがいい」などといわれた。


さらに調子が悪くなり、入院をするが、自暴自棄になり、壁を殴ったり、自分の顔を殴ったりするので、医者から「こんな精神状態で長期入院は無理です」といわれ、結局入退院を繰り返す。

ただ、しばらくは狙われているため、外出禁止で通院の時も親と一緒だった。


僕は、精神的にまいっていた。

安定剤などを出してもらうが、徐々に量が増え、薬物依存症にもなる。


また、マンションの5階から下を眺めていれば、いつかは飛び降りられると思っていた。


母親も心配し、よく来てくれた。


そんな時だった。

ある一冊の本と出会ったのは……

そしてその本を読んで、僕に生きる目標を与えてくれた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ