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爆縮と体温の機知(11)

逃げられない逃走

浜辺に映る月明かりに

釣り人が糸を垂らし

周りよりも明るい家では

パチパチと花火の音

16発の火球が

海側に向けられた筒から

急かされるように飛び出している

自販機の釣り銭出口には

カナブンとカメムシが

縄張り争いをし

フワリと潮の香りが

まだ冷たい風に乗ってくる


ライトが明るい漁船が

エンジン音を残しながら

港を出て行き

見送るかのように

小脇から猫が出て来る

何の心配もせず

自由に待つつもりのようで

毛繕いを始めた

遠くに居る別の猫を見つけると

動きが止まっていた

守る為の行動をしているが

何を守っているのだろう


フナムシの移動を見ながら

砂利道から駐車場へ移動する

カーブミラーが月を見ていて

いつか自分も成れると

勘違いし始めるかのように

鏡面に映る円が美しい

雲の無い月夜は

何もかもを見られている感覚を

無理矢理

与えられているような気がしてくる

車のエンジンをかけて

逃げるように乗り込むと

国道でスピードを上げた

逃げられない逃走だから

成功することはないのだが





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