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侵略者ランコ  作者: 副団長
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説明フェイズ、そして結婚報告

その日の夜


「では改めて私についての話をしますね」


あの後結局自称宇宙人は俺に何も教えてくれず、そのまま俺たちは家に帰った。

そう。『俺たち』は。

最初はお母さんかお父さんが追い返してくれると思ってたが、帰ると2人が家の奥から駆けてきて、


「あなたがランコさんねー。うちの息子をよろしくね!」

「悠矢!いい嫁をもらったじゃないか!幸せにするんだぞ!」


と言ってきた。

その時自称宇宙人に親に何かしたのかと問い詰めたら


「申し訳ありませんがお二人を洗脳させてもらいました」


といって、それ以上は何も教えてくれなかった。

夕食の時とかお父さんもお母さんも当然のように自称宇宙人と話しててめっちゃ怖かった。

二人とも本当に洗脳されてるみたいだった。



そして話は今に至る。


「まず私が何者かについてですが、私はあなた方のいうところのいわゆる宇宙人です」


そう。やはり彼女は宇宙人で間違いないらしい。


「あ、勿論友好的な宇宙人ですよ。ワタシ、アナタノハンリョ、ワルサシナイ」


あーよかった。ってなるとでも思ってんのかね…

親を洗脳する宇宙人は果たして友好的な宇宙人なのだろうか。

どう考えても侵略してくるタイプの宇宙人がすることだ。


「この星にはあなたの嫁になりに来ました」

「そこだよ!」

「うわっ⁉︎何ですかいきなり?」


声を上げて彼女の話を止める。


「なんだよ俺の嫁になるって」

「そのままですよ?結婚しましょうってことです」

「そもそも結婚っつったってなんでお前は俺のことを知ってるんだ?

「週刊宇宙フライデーに載ってたからです」

「…へ?」

「週刊宇宙フライデーに載ってたからです」

「週刊宇宙フライデー…?なにそれ」

「宇宙全体で定期的に発行されている雑誌ですよ。読者モデルの欄にあなたの姿がありまして、私一目惚れしちゃったんですよ」

「ちょっと待て」

「はい?」

「取材されてないどころかその雑誌の存在すら知らなかった俺がなんで読者モデルやってんだ」

「それがこの雑誌、適当な人を選んで撮って、本人の許可なく読者モデルとして使ってたんですよ。」

「え?それで俺が使われてたのか?」

「ええ。結局この前出版社に宇宙警察が押し入りまして、雑誌は打ち切り、世に出回ってる物は全て押収され焼却されてしまったんですね。あっ、こちら現物です」

「何で持ってるお前!」

「私宇宙警察ですよ?」

「嘘だろ⁉︎てか俺に対する賠償とかないの?」

「宇宙警察の上の人に聞いたんですが、、『本人知らないっぽいし別にいいんじゃね?手続きめんどいしさ、それより今から一杯どう?』だそうです」

「ふざけんな!クビにしろそんなクズ!」

「彼は既に昼間から公園にいる変なおじさんになっています」

「うおっ、まじでクビになったのかよ」

「まぁセクハラとかしてたってききますしね。まぁそんなことがあって、その雑誌をみてあなたに一目惚れした私があなたのことを調べ上げて、嫁になろうとやって来た訳ですね」


なるほど…

めちゃくちゃな話だがある程度納得はできる。

こいつが警察の人間なら俺の個人情報など簡単に分かるだろうし、俺を知っていた理由は…納得いかないがまあいいだろう。

両親のこいつへの対応も洗脳されていると考えないとおかしい。

洗脳もできるんだ。

宇宙人だというのも嘘じゃないだろう。


「これで納得してもらえましたかね?」

「ん…まぁ一応お前が何者かってのは理解できた」

「そうですか、それならばよかったです」

「で、お前はこれからどうするんだ?」

「え?同居するに決まってるじゃないですか」

「まじで?」

「夫婦が別居だなんておかしいじゃないですか。あっ、既に結婚届は出しておきましたよ。これで私たち、国も認める夫婦ですよ」

「俺まだ17だから結婚できないんだが…」

「国会洗脳して法律変えました」

「そこまでしたのか⁉︎」

「当たり前です。愛の力は法律をも変えるのです」

「愛の力じゃなくて洗脳の力だろ!」



でもどうやらランコは本当に俺のことを好いてくれているらしい。

だが俺は今日会った人と結婚なんて認められない。

突然襲来したエイリアンと結婚なんて俺は嫌だぞ!


「そっ、そうだランコ!お前仕事はどうするんだ!宇宙警察は忙しいんだろう⁉︎」

「そうなんですよね…今は有給を取っている状態なので有給が切れたらまたお仕事に戻らないとダメなんですよね…」

「因みにあとどれくらいあるんだ?3日くらいだろ?それじゃあ結婚しても少ししかいられないじゃないか」

「えっと…地球時間に換算して約150年ですね」

「くそっ!」

 

宇宙人と時間の流れの感覚に差がありすぎた!これは駄目か…ならば!


「お前そういや戸籍はどうした?宇宙人が戸籍なんて持ってるわけないだろ?」

「現実改変を駆使して相浦ランコという女性が17年前に生まれたことにしました」

「畜生!」


駄目だ…流石宇宙人、完璧で穴が見つからない。


「諦めてください悠矢さん。これから仲良く夫婦生活を送っていこうじゃないですか」

「あ…?」


そう…だな…

確かにこの子かわいいし俺にはもったいない嫁かもしれないな。

そうだよ、こんなに可愛い子と一生を過ごせるなんて素晴らしいじゃないか!

ビバ!エイリアン!

ビバ!ランコ!


「じゃねぇぇぇ!!お前今俺に洗脳してただろ!」

「チッ」

「舌打ちしたな!聞き逃さなかったぞ!」

「じゃあ悠矢さん今日は遅いのでもう寝ましょうあれーべっとがひとつしかないこれじゃあふたりいっしょにねるしかないなー」

「隣の部屋に俺の姉ちゃんが使ってたベッドあるからそれ使え」

「チッ」

「また舌打ちしたな!とっととあっち行って寝ろ!」

「はーい、それじゃあおやすみなさーい。夜這いも大歓迎ですよ!」

「するか!」


こうして相浦家の夜はふけていく…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ランコ「お姉さんのベッド使っちゃってよかったんですか?」

悠矢「姉ちゃんはもうひとり立ちして家にはいないから。使って大丈夫だぞ。」

ランコ「…ひとつ屋根の下に若い夫婦が二人、当然なにも起こらない筈がなく…」

悠矢「俺に何かしたら通報するぞ」

ランコ「すいませんでした」

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