皆の様相
漸く荷物を車に積み終えた山岸。
思った以上に着替えなどが嵩張り、重さよりも体積に苦戦した。
しかし荷物運び兼護衛として呼んだ1人のスタッフのお陰で一回で車まで運ぶ事が出来たのだ。
そのスタッフは男性で見た目は40代、そして何よりも非常に大柄でプロレスラー体型をしていた。
そして身長は明日香達が見上げてしまう程に高く、200cmはありそうである。
一見、警備関係の職種と言う事で怖そうに思えたが、その面持ちは温厚で人懐っこい印象だ。
明日香達に笑顔で脇村と名乗った時の表情は無精髭が良く似合い、子供が3人程いそうな優しいお父さんと言った様相に見える。
服装は山岸と同じで、SPの様な黒いスーツ姿だ。
明日香の美しい容姿と相まって脇村が傍に並ぶと、まるで芸能人を守るボディーガードに見えてしまう。
一方、皆のコーデはと言うといつもと随分違う。
先ず蓮香が明日香に様相を見せてくれたのだが、桜がするようなスタイルだったのだ。
春から初夏の雰囲気を漂わせる、薄いピンクのパステルカラーを基調にしたニットのワンピースを着ていた。
ひょっとしたら桜に借りたのかもしれないニットワンピ。
それはデコルテ露出多目、ギリギリお尻が隠れる超ミニ、そして萌え袖の小悪魔要素盛り沢山であった。
胸元から覗くキャミソールのレース模様が、チラ見せ感を出して何とも色っぽい。
髪型も蓮香らしく無いツインテールだ。
しかも少し工夫してある。
ツインテールにする為、2つに分けた片方を更に二股にして、それのどちらも根元だけ三つ編みにしていた。
パッと見は編み込みからツインテールが延びているように見える。
シンプルなツインテールより凝っていて、どの方向から見ても可愛く見えるのが何ともあざとい、、、もといお洒落だ。
「蓮香はこう言うギャルぽいのも似合うね」
「とっても可愛いよ」
そう明日香が褒めると蓮香は顔を赤らめて俯いてしまう。
そしてモジモジしながら呟いた。
「いつも通りでは面白くないので、趣向を変えてみました」
「折角の旅行ですし、、、」
すると次は桜が服装を見せびらかせに来る。
「どう? 今日の私は?」
ツーンした様子で言い放つ桜のコーデは、明日香を模したようであった。
それは長袖の白いブラウスに黒のマキシロングスカート、緩く編み込んだ髪の毛をアップにして纏めていた。
更にクール系のメイクで髪の毛の色以外は、明日香にそっくりになってしまっている。
因みにスカートには腰近くまで深いスリットが入っていて、中々にセクシーだ。
明日香が苦笑しながら桜に尋ねる。
「ひょっとして私の真似をした?」
「フフフ」と楽しそに笑うと桜は、
「どうかしら?」
「明日香さんはクール系だけど凄く色気も有るから、私も頑張ってみたの、、、」
そう明日香の口真似をしてスリットの入ったスカートをひらりとさせた。
それを見ていた蓮香が「ぶっ!」と笑いそうになり堪える。
そして殆ど笑った状態で言った。
「何と言うか、真似を通り越してオリジナルと言うか、、、」
「もうお姉様Mk-2でいいのでは?」
「いや、それオリジナルじゃないから!」
「それだったらまだ明日香弐代目とかの方がいいよ~!」
などと困ったような顔で言いだす桜。
「いや、、、そんな事、私が困りますから、、、」
「私が恥ずかしくなちゃうから!」
と堪らず明日香は2人に突っ込んでしまう。
「じゃぁ桜お姉様でどう?!」
まだボケる桜に、まだそれに付き合う蓮香。
「では、今日はそれで一日過ごしましょうか、桜お姉様!」
『もう勘弁して~』
と明日香が内心で叫んでいると、桜が雅を呼んだ。
「さぁ雅、こちらにいらっしゃい」
「明日香さんに今日のコーデを見せてあげると良いわ」
しかもだま明日香の口真似は続くようである、、、。
明日香の元にやって来た雅の姿は、想像の斜め上を行っていた。
故に雅の姿を見て明日香は唖然としてしまう。
雅が選んだ今日のコーデは、JKスタイルだったのだ。
どこの学校指定か分からないが長袖の白いブラウス、そして下着が透けない様に着る紺色袖なしのベスト、そしてチェック柄のミニプリーツスカートだ。
そしてトドメとばかりに黒のニーハイで絶対領域を作っている。
『あざとい、、、』
明日香の脳裏に浮かんだのは、この言葉であった。
しかし童顔で150cm程しかない身長の為か、これが似合ってしまっている。
正直、非常に可愛らしい。
抱き締めたい程だ。
と言うか気付かぬうちに明日香は雅を抱きしめていた。
そうすると桜が残念そうに言った。
「あ~、、、雅ちゃんの勝利か、、、」
「誰が一番、明日香さんの好みにヒットするか勝負していたんだけどね~」
蓮香も残念そうに自分の恰好を見ながら呟く。
「残念です、、、良い感じだと思ったんですが、、、」
雅は明日香に抱きしめられたまま、2人にVサインをした。
「JKは最強ですから」
当の明日香はと言うと、自分を使って遊ばれていた事に気付き項垂れるのであった。




