ウルトラサイズ?(1)
蓮香から届いたと端的に告げられた。
正直、何が届いたのかサッパリ分からない。
しかも蓮香は嬉しそうである。
取り敢えず分からないままだと不味いので明日香は訊く事にした。
「え〜と、、、何が届いたのかな?」
「全く分からないのだけど、、、」
するとウッカリした表情で蓮香は答える。
「申し訳ないありません、、、」
「私とした事が端折り過ぎましたね」
「実は発注したベッドが今届いたんです」
そして明日香の様子を伺うように、
「もしご許可を頂けるなら搬入と設置をしたいのでずが、、、」
とおずおずと蓮香は言った。
「え?!」
と明日香は少し驚いてしまう。
思い立ったら吉日と言うが、物凄く蓮香の行動が速くて感心する。
恐らく直ぐに同じベッドを探しにかかったのだ。
しかも武野内家の力を使ったに違いない。
クイーンサイズのベッドなんか在庫が見つかっても、通常の通販では直ぐに配送で出来そうに無いのいだから。
きっと財力と伝手を使って手配したのだろう。
取り合えずマンションまで届いているなら放置する訳にはいかない。
明日香は少し不安そうにしていた蓮香に言った。
「分かったわ、搬入と設置をお願いね」
なし崩しにされているような気もするが蓮香に任せよう。
すると蓮香は嬉しそうに頷くと急いで玄関の方へ向かって行った。
その間に寝室に2つ目のベッドを置けるようにしておかないといけない。
「雅、桜、一緒に寝室まで来てちょうだい」
そう言い明日香は膝の上に乗っていた雅を下ろす。
少し名残惜しそうな雅だったが、素直に頷いた。
「はい、、、」
桜は腕をめくるような仕草でその細い腕を見せると、
「ベッドを並べるスペースを確保するんだよね?」
「任せて! 私、頑張っちゃうから!!」
意気揚々と寝室へ向かって行った。
クイーンサイズだけに結構重いベッドである。
女手では無理がある作業であった。
無理をして怪我をしないか明日香は心配になる。
かく言う明日香もまだ微熱があってフラフラしている。
人の事を言えないか、、、。
寝室に入り邪魔になる棚やテーブルを寝室の外に一旦避難させる。
そう言ったスペースを空ける準備を雅がテキパキとこなす。
そして物を退かせていけば隠れた埃なども出てくる。
これは桜が素早くコードレスの小型掃除機で綺麗にしてくれた。
あっという間に2つ目のベッドを引っ付けて置けるスペースが出来上がる。
既存のベッドを動かす必要が無くて、明日香は胸を撫でおろした。
この時点で明日香は何もしていない。
同じ目的に対しての協調性が凄い桜と雅。
桜は元々社交性があって人との協調は得意そうである。
しかし以前の雅の事を思うと少し意外である。
実はやれば何でも出来る娘なのかもしれない。
『今度スーパースター辺りで一緒にゲームをさせたら面白いかも、、、』
そう思いつき明日香はほくそ笑んだ。
そして暫くして玄関の扉が開く音がする。
「そのまま入って下さい」
蓮香の声だ。
するとゾロゾロと見た顔の男性が蓮香に促されて家に入って来た。
皆それぞれ手にベッドのパーツらしき物を抱えている。
最後に山岸さんが一人の男性と一緒にマットレスを抱えて玄関を抜けた。
それを見届けて蓮香は玄関の扉を閉めると明日香に告げる。
「梱包したままだとダンボールや他のゴミが沢山出ますので、」
「予めバラシて必要な物だけ持って来て貰ったんですよ」
何とまぁ~手際の良い、、、。
流石蓮香と言ったところか。
『これはご褒美をあげないとね』
そう明日香は思い蓮香に近づいた。
「蓮香は段取りが上手だね」
「よく目利きが利くし」
と明日香は蓮香を褒めてあげて頬にキスをした。
すると少し驚いた顔をした後に蓮香は目を輝かせる。
「どうせなら、こちらに頂きたいです!」
そう言って明日香に抱き着くと、その口に情熱的なキスをした。
そして直ぐに明日香から離れると、
「2人に見つかったら明日香お姉様を独占していると怒られそうなので、、、」
小悪魔的な笑みを浮かべて言った。
何と言うか色々ちゃっかりしていると言うか、皆しっかり者である。
そして今後尻に敷かれないか心配になる明日香であった。




