女王気取りのサイコパス
明日香が目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
しかも連れて来られた時とは、全く違う姿をしている自分に驚愕する。
ショーツも黒いレース地の物に変わっており、上も黒いベビードールに変わってしまっていた。
しかも両手に片方ずつ手錠のような手枷がはめられており、鎖がそれぞれに伸びてベットの下に消えていた。
ベットから身を起こす程度の自由は利くが、ベットから降りれる程の長さは鎖には無かった。
身体の自由が余り利かない事よりも、”女を装っていた”自分の服がセクシーな下着姿に着替えさせられている事の方が明日香には問題だった。
『ブラジャーもパットも外されてるし、、、』
『しかもこんなスケスケなベビードールなんて、、、』
意識を失う前に、崇城雅が自分を拉致した事は明らかになっている。
そしてあちらも明日香が男で有る事が分かっている。
それなのに明日香はまだ拘束されて、監禁されたままだ。
もはや雅が何がしたいのか明日香は分からなくなってしまっていた。
解放しないのは、拉致監禁した事が明るみに出てしまうからだろうが、、、。
『男の私にこの恰好は無いよな、、、』
明日香が溜息をついて途方に暮れていると、部屋の扉が開く音がした。
やって来たのは雅だった。
しかもその恰好は、明日香と同じで白いショーツに白のスケスケなベビードールだった。
雅のその破廉恥な恰好に明日香は唖然としてしまう。
自分も人の事を言えない恰好をさせられているのだが、それでも明日香は男だ。
しかし雅は女の子なのだ。
ベビードールの下は何も着けていなく、雅の胸がスケスケの丸見えであった。
更に驚いたのが、貧乳かと思っていた雅が意外にも胸が大きかった事だ。
Cカップかそれに近いBは有りそうだった。
『いや、、、そんな事に驚いている場合では、、、』
と我に返る明日香。
そうすると雅が明日香の傍までやって来てベッドの片隅に腰を下ろした。
「どう? 気に入ったかな、その衣装」
「色は違うけど私とお揃いね」
と嬉しそうに言う。
明日香は少し恥ずかしそうに身を縮めると、
「何故こんな恰好を、、、?」
「何がしたいの?」
雅はその細い指で明日香の脚に触れた。
「私の物にする前に、色々と味わっておこうと思って」
「ホント、綺麗な身体をしてるわね神宮司さんは、、、」
「それにまさか男の子だったなんてねぇ~」
と不気味な笑みを浮かべて言い放つ雅。
ゾッとした様子で顔を青くする明日香は、
「、、、寝ている間に何かしたの、、、?」
すり寄るように雅は明日香に密着しに行く。
そして明日香の背中から手を回して、雅はその胸に触れた。
「心配しなくても本番はまだよ」
「でも、沢山触れて、沢山舌で味わったけどね~」
明日香の背中に悪寒が走った。
『この女は、、、変態な上、サイコパスの可能性が高い、、、』
『自分の欲求を解消する事に躊躇いが無い、、、』
と冷静に分析してしまう明日香。
不気味でヤバイ相手だとは思うが、特に明日香自身焦っている訳でもなかった。
焦って慌てた所で、この女を楽しませるだけだろうし、何も解決しないからだ。
それに慌てる元気も無かった。
多分、飲まされたグラスの水に導眠剤と一緒に筋弛緩剤を混ぜられていたのかもしれない。
気怠い上に体に力が入らないのだ。
気怠そうな明日香を見て雅は楽しそうに背後から密着する。
更に雅は明日香の首筋に舌を這わせ、手は優しくまさぐるように胸や腹部に触れた。
「ごめんね~、薬のせいで凄く体が怠いでしょ、、、」
「貴女が私の言う事を全て聞いてくれるなら、薬も止めて拘束も解いてあげるんだけどね」
諦めたような様子で余り反応が無い明日香に、雅は少し苛立った。
「言う事を聞いてくれないと、本当に好き勝手しちゃうわよ~」
明日香の目が怒りと屈辱に満たされて、雅の目を射貫くように見つめた。
そんな明日香の反応が嬉しかったのか、雅は明日香をベッドに押し倒す。
そして雅は明日香の上に馬乗りになった。
「身体は抵抗する元気もないくせに、、、」
「気持ちだけは一丁前のようね」
ベビードールの下に手を潜り込ませ、明日香の身体に直に触れる雅。
「なら気持ちも抵抗できない程に擦り減らさないと駄目みたいね」
明日香が覚悟したように歯を食いしばった時、ベッドの横にある内線が突然鳴りだした。
「チッ」と舌打ちして明日香に跨ったまま、雅は内線の受話器を手に取った。
内線で話を一通り聞いた後、雅は機嫌が悪そうに言った。
「分かった、直ぐに下に行くわ」
「中に入れさせないでね」
溜息をついて雅は内線の受話器を元に戻した。
それから雅は明日香から身を離すと、
「邪魔が入ったわ、、、処理してくるから貴女はそこで大人しくしてなさい」
そう言って部屋を出て行った。
明日香は胸を撫でおろした。
しかし何も解決していないのは確かだ。
問題が先送りにされただけなのだ。
誘拐されるにしろ、監禁されるにしろ、せめて普通の恰好で扱って欲しいと明日香は切に思うのであった。




