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雅のからの勧誘

明日香の元に注文していたアイスカフェラテが届く。

ウェイトレスが来た事によって雅の話の腰を折った形になったが、気にせず明日香は言った。

「話の続きを、、、」



雅は少し躊躇った様子だったが、ゆっくりと話出した。

「貴女も私の噂は聞いているでしょ?」

「性格が悪いだとか、、、自己中だとか、、、」

「それに親の威を借りた馬鹿娘だとか、、、」



明日香はアイスカフェラテを一口飲み、落ち着いた様子で頷いた。

「そうね、、、あまり良い話は聞かないかな」



少し眉間に皺を寄せて不満そうな顔をする雅。

「私はこんな自分が嫌で、、、」

「だから変わりたいと以前から思っていたの」

「自分だけの力で生きたいって、、、」



『自分だけの力で生きたい、、、か』

『この娘の振る舞いでは、とてもそれは無理に思えるけど、、、』

そう内心で呟くと明日香は溜息が出そうになった。


このタイミングで溜息をついたものなら、相手を馬鹿にしている様なものだ。

だからグッと我慢をして続きを促す。

「で、どうしたいのかな?」



意を決したように雅は話し出す。

「私は親の力を借りずに事務所を立ち上げたいの」

「その為には色々と人員が必要になる」


「直接芸能関係の仕事をするタレントないしアーティスト、、、」

「それにマネージメント管理や、プロデュース関係の担当」

「まだ他にも事務関係など多岐に渡るわ」



そして雅は真剣な目で明日香を見つめた。

「一番要になるタレントとして貴女が必要なの」

「容姿も然る事ながら、歌も凄く上手いと聞いているわ」

「なんならアーティストとして押し出してもいいと考えているの」



何を勝手に話を進めているのか、、、と再びイラっとくる明日香。



自分の人生を他人にどうこうされたくないし、どうこう言われたくない。

それに明日香は自分の人生を自分で切り開けるように努力もして来た。

だから雅を見ていると苛立ちが湧き出てきてしまうのだ。



雅本人は、今がターニングポイントと感じているのかもしれない。

故に親に頼らず自分の人生を切り開こうと行動を起こそうとしているのだろう。


しかし話を聞くに、結局他力本願なのだ。

自分の能力のみで人生を歩もうとしていない。

明日香を勧誘してタレントとして使おうと言うのがいい証拠だ。



自分は元々人の上に立つ人間だと勘違いでもしているのだろう。

そんな世間知らずに付き合っている暇など無い。



明日香は我慢できなくなり席から立ち上がった。

「話にならないわ、、、」

「貴女は他人の力ばかり当てにしている」

「そんな人間に誰もついて行かないわ」



そして一度も振り向かずに喫茶店を出た。



怒りなどは特にない。

あんな人間に時間を割いた事が馬鹿馬鹿しくて、そして感情を乱されかけた自分が情けないと明日香は思っただけだ。



今日は何だか日が悪い感じがした。

何をしても裏目に出て、悪い結果が出る。

そんな日がたまにある。

誰にでもある事だと思う。


だがそれは些細な事をマイナスに捉えてしまう、その時の精神状態が問題なのだと明日香は考えている。

なら気晴らしをして気分をリセットすればいいのだ。



一旦自宅に戻ってから、スーパースターにでも行こうと明日香は思った。

あそこは明日香にとって心のオアシスなのだ。

大好きなゲームが有って、気が置けないゲーム仲間がいる。


ゲーム談議に花を咲かせ、ゲームでワイワイ盛り上がる。

そうすれば、この陰鬱な気分も晴れることだろう。



そう考え帰宅の途についた明日香の足取りは、すでに軽やかだった。



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