着せ替えクールビューティー
桜のメイクと髪の毛をセットした後、明日香は自分の衣装部屋まで桜を連れて行く。
かなりの量の服が保管されているが、部屋自体が広いので圧迫感は無い。
色々な服があるので、桜は驚いていた。
「沢山あるね~」
「私はどれを着るのかな?」
明日香は、半分冗談、半分本気で黒色のシックなチャイナドレスを手に取り桜に見せた。
「これなんか似合うと思う」
「試しに着てみる?」
すると桜はノリノリで、
「うん!」
「なんかおもしろそう!」
桜は色々とノリが良いので、こういう時は楽しい娘だと明日香は思う。
なら早速着てもらおう。
桜がパジャマのワンピースを脱ぐ迄待っていた明日香だが、一向に脱ぐ気配がない。
「うん?」
「脱がないの?」
「脱がして!」と被せ気味で返答する桜。
『おいおい、子供じゃないんだから、、、』
とぼやきつつも明日香は桜からパジャマを脱がしにかかった。
上に引き上げると、折角綺麗にした髪の毛が乱れる。
なので大きく開いた襟元から肩を抜いて下にワンピースを下ろしていく。
桜の胸が大きいので、ワンピースを下ろすのに多少苦戦する。
その後も微動だにしない桜。
『はいはい、、、ショートパンツも脱がせばいいのでしょ、、、』
まるで子供の世話か、老人介護か、、、手間のかかる甘えたさんである。
そして深くスリットの入った黒いシックなチャイナドレスを桜に着せる。
もともとタイトなチャイナドレス。
桜が着ると随分と扇情的に見えてしまう。
元々巨乳な胸元がタイトなチャナドレスのせいで更に強調されてしまうからだ。
しかもちょっと苦しそうだ。
明日香用にあつらえた物なので、どうしても胸がきつくなってしまう。
明日香も決して小さいわけでは無く、どちらかと言えば大きい方のDカップ。
偽乳だが、、、。
それでも桜の巨乳には及ばない。
仕方ないので首元のボタンと、その1つ下のボタンまで留めずに開けておく。
これで何とか苦しくなくなるだろう。
しかし、デコルテ付近が見える為かよりセクシーになってしまった。
最後にアクセントとして、片方だけ長い髪の毛を耳にかけて、そこにヘアピンより少し大きめの髪飾りを刺す。
髪の毛が栗色と明るめなので、目立つように黒く輝くブラックシルバーの髪飾りにした。
壁に掛けてある大きな姿見で、桜の全身を確認する。
桜は随分驚いたようで、
「わぁ~凄い、、、なんだか明日香さんみたい~」
と呟いた。
明日香も納得の出来栄えで笑みが漏れた。
衣装部屋の外で待っている蓮香に見せる為、とりあえず部屋を出た。
すると、まだかまだかとウロウロしながら待っていた蓮香を発見。
桜は明日香の後ろで隠れている。
蓮香を驚かす為だろう。
明日香は笑顔で蓮香に言う。
「お待たせ!」
「それではお披露目しちゃうよ~」
スっと横に退く明日香。
すると艶やかな桜の姿が現れる。
「おおぉ~!」
と蓮香の声が漏れた。
蓮香はマジマジと桜を見つめる。
「す、素晴らしいです!」
「お持ち帰りしたいくらいです!!」
そして桜に触れようとするが躊躇う蓮香。
「何と言うか、、、もう一人明日香お姉様が増えたような、、」
「そんな錯覚に陥ります、、、」
それを聞いた桜が、わざとらしく澄ました口調で、
「雨音はね、、、私なの」
「私がWorldTubeで歌の配信をしている”雨音”本人なの、、、」
と明日香の真似をした。
「わぁ~、、変に似てる、、、」
と少しうっとりした様子で蓮香が呟く。
「やめて~~、、、恥ずかしいからカンベンして~」
と慌てる明日香。
更に追い打ちをするように、桜が格好つけて明日香の真似を続けた。
「私は歯磨きしてから編集作業に入るから、」
「貴女達もちゃんと歯磨きするのよ」
『私、、、そんなに澄ましてないよ~』
と明日香は項垂れる。
桜と蓮香は2人して大笑いしていた。