表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/134

イメチェン

シャワーを済ませてリビングに戻る明日香。

リビングでは蓮香と桜が仲良く二人掛けのソファーに座り、何やら話をしていた。



戻って来た明日香に気付いた蓮香が、少し怒った様子で、

「明日香お姉様、、、桜さんのお世話をしたとか」

「うらやましいです!」



「ホぇ?!」

と変な声がでてしまう明日香。

何が羨ましいのか全く理解できない、、、。



そして蓮香はソファーから立ち上がると、明日香に抱き着いた。

「私もお風呂あがりに、お姉様にお世話して貰いたいです、、、」

「もしくは、、、お世話したいです、、、」



溜息が出そうになったが明日香は我慢する。

そして抱き着いた蓮香の背中に優しく手を回し撫でてあげた。

「はいはい、、、二人とも子供みたいなんだから、、、」

「今度してあげるから機嫌なおしてね」



すると蓮香は上目づかいで明日香を見た。

「え~と、、、私がお世話するのは駄目ですか?」

明日香は苦笑しながら首を横に振る。

「ダメダメ、、、私が恥ずかしいから!」


少し残念そうにするが蓮香は諦めたようで、

「分かりました、、、」

と言って明日香の胸に顔を埋めた。


そして暫く引っ付いたままの蓮香。



ハッとした明日香は、

「桜みたいに私の匂い嗅いでるでしょ!」

と突っ込む。


顔を離すと蓮香は愛想笑いをした。

「バレちゃいました、、、」

「流石に桜さんのようにはいきませんね」



『もう本当に可愛らしい事してくれるのはいいけど、、、』

『私が恥ずかしいのよ、、、』

と明日香は内心でぼやく。



そうこうしてると桜が少し不満そうに、

「明日香さ~ん、、、私のイメチェンは?」

と催促してきた。


明日香は蓮香を離すと、申し訳なさそうに桜の傍に向う。

「そうだったね、、、」

「じゃあ、とりあえず髪の毛と化粧から変えてみようか」


そして桜をソファーから立たせると、化粧台の前に座るよう促した。

ヘアアイロンの電源を入れて、程よい温度に設定する。

更に明日香が日頃使っているコスメをポーチから取り出す。



桜の日頃のメイクは、どちらかと言うとユルフワギャル風メイクである。

ギャル程コテコテしていなく、かといって柔らかすぎない言わば無害系天然キャラメイクだ。

桜のキャラに合ってはいるが、違う方向性も見てみたい。


故に明日香は、まず桜がしないであろうメイクをしてみる事にしたのだ。

それはクール系のメイクだ。

明日香が大学に通う時のようなクールで品の良い奴だ。



「お風呂上りに化粧水はちゃんとした?」

と一応確かめる明日香。


桜は笑顔で頷いた。

「うん、ちゃんとしたよ~」

「乳液とかBBクリームとかはしてないけど、、、」



明日香はスポンジとBBクリームのチューブを大きめの化粧ポーチから取り出す。

そして適量のBBクリームをスポンジに乗せて、桜の顔に満遍なく塗ってゆく。

「今日は出かける予定はないから、ファンデーションは控えておくね」

そう明日香が言うと黙って桜は頷いた。



その後アイシャドウを乗せていく。

クール系なので、黒、グレー、白ラメ、青系統でコントロールする。

濃くはせず、薄っすら分かる程度で良いだろう。


次はアイラインだ。

リキッドタイプでクッキリするようにラインを入れてゆく。

いつもの桜は少し垂れ目で、淡い感じにアイラインを入れていた。

ペンシルタイプをつかっているのだろう。


リッキドでクッキリ、しかも少しだけ釣り目にすれば、引き締まった印象でクールに見えるのだ。

予定通りその様にアイラインを入れて切れ長にして目元は完成。

睫毛は元々長いので付け睫毛も必要ない。



眉毛はペンシルタイプで、桜の髪色より少しだけ濃いめのブラウンをチョイス。

髪色と同じ色だと、眉毛が髪の毛にぼかされてしまう。

そうすると、顔全体がぼやけてしまう原因になるのだ。


眉毛は意外と重要なパーツで、ドール系やふるゆわ系ならいざ知らず、クール系はシャープなイメージが必要。

故にそれなりにクッキリ見えるよう、シャープに描いてあげた。



仕上げに濃いめの赤い口紅で〆る。



後ろで見ていた蓮香が感心した上に、何だか顔を赤らめた。

「凄い雰囲気変わりましたね!」

「私、、、この感じ好きです、、、」



明日香は楽しそうに頷いた。

「でしょ、桜はこんな感じも似合うのよ」

「後は髪の毛だね」



桜自身も驚いた様子で鏡を見つめて無言のままだ。



続けて明日香はヘアアイロンで仕上げにかかった。

手間はそんな取らない。

綺麗に真っ直ぐにするだけだからだ。


元々くせ毛では無い桜の髪の毛は、ヘアアイロンにより綺麗にワンレンのようになった。

最後に前髪を6:4で分けて完成だ。

大人っぽくなった、、、。



ヘアアイロンの電源を切り、桜を立たせる。

そして明日香は桜の手を引き、衣装部屋まで連れて行くことにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ