表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/134

関西弁な肉屋と引率役(1)

蓮香が食事代を払うと言い出したが、明日香はやんわりと断った。


別に金欠と言う訳でも無いし、パジャマも買って貰ったのでここは私が出すべきだろう。

桜はと言うと、、まぁ普通の大学生?なので払わせる訳にはいかない。


それに本人もモテるので奢られ慣れているのか、下手に口を出さない。

流石、リア充な桜だ。



歩いて行っても良いのだが、お好み焼き屋の駐車場に停めたままなのは悪い。

なので一旦Zをスパースターの近くに有るコインパーキングに明日香は停めた。

ここは監視カメラも複数設置されていて安心な駐車場なのだ。




そして徒歩1分でスーパースターに到着する。

時刻はPM8時になっていた。


そろそろ常連連中が来出す頃合いだ。

いつもの明日香なら常連連中とゲームをしてワイワイ楽しむ所だが、今日は事情が違う。


蓮香と桜を連れて、果たしていつも通りに振舞って良いモノだろうか、、、。



取り合えず店の前で蓮香と桜の様子を見ようと振り返ると、蓮香が少し驚いた感じだった。

そしてお好み焼き屋の時のように蓮香は呟いた。

「ノスタルジーな、、感じのところですね、、」



詰まる所、「古臭い!」と言いたいのだろう。

確かに、今どきのゲームセンターとは一線を画する様相だ。

それにしても蓮香は、オブラートに包んで呟くのが上手い、、。



一方、桜はと言うと、特に気にした風も無くいつも通りだ。

まあ、一度来ているし本当に適応能力が高いのかもしれない。



しかし問題はここからだ。

店内に入れば、さらにノスタルジーさが際立つ。

スーパースターの独特の空間と雰囲気に、彼女達が耐えられるのか疑問だ。



広い方のフロアーに入り、目前に広がるのはレトロなテーブル筐体だ。

それを見て桜が感心したように、

「これいいよね~」

「何か食べたり飲んだりしながらゲームし易そう」



明日香は苦笑する。

『そこ感心するところなんだ、、』

そして指でトントンとテーブル台を叩くと、

「これはね、本来そういう使用目的なんだよ」

「昭和時代は喫茶店とかに置かれていたしね」



それを聞いた蓮香も感心する。

「凄いレトロな物が今でも稼働してるんですね」


頷いてから明日香は、率直にここで何がしたいのか2人に訊いてみる事にした。

「え~と、、蓮香と桜は、、ここでどうしたいのかな?」

「私が何をしてるのか知りたいの?」

「それともゲームをしてみたいのかな?」



桜はニッと笑うと、片手を上げた。

「どっちも~!」


蓮香もニッコリと明日香に微笑みかける。

「そうですね」

「出来れば、明日香お姉様が楽しんでらっしゃる物を一緒に遊んでみたいです」



「なるほど、、、」

と言って明日香は考え込んだ。

『中々難しい事だぞ、、、』

『好みも有るし、ここのゲームは全体的に難易度も高いし、、』



すると狭いフロアーから30代半ば程の男性が移動してきた。

明日香を見ると、

「お~、アメヤンやんけ~」

「今日は早いな」



「うぉっ、肉屋!」

と、ついウッカリいつもの感じで明日香は喋ってしまった。



蓮香が不思議そうに、

「アメヤン、、、?」

桜も不思議そうに、

「え? 肉屋?」


桜さん、、普通そこは”肉屋”で不思議がる所じゃ~無いでしょ、、。

と内心でやんわり突っ込んでしまう明日香。



そしてその”肉屋”は明日香を上から下まで見る。

「今日はえらい感じちゃうやんけ~」

「なんかエロイのぅ~」


明日香はいつも通りの”肉屋”に困って苦笑してしまう。

今日はリア充な女の子2人連れてるのに、、。

下品だよこの人、、。



蓮香が明日香の横まで来ると、

「え~と、、この方は?」


ちょっと焦る状況だが、明日香は冷静さを装い蓮香に紹介する。

「このゲームセンター・スパースターの常連だよ」

「ここでは藤君って呼ばれてる」



蓮香は軽く藤に会釈する。

「私は、武野内蓮香と言います」

「え~~と、、、雨音お姉様と同じ大学に通う者です」


藤はほんの少しだけ畏まった仕草をする。

「これはこれは、えらいご丁寧に」

「で、、後ろにいるボインのお嬢ちゃんは?」

「アメヤンの連れやろ?」



『こいつは、、デリカシー無いわ~』

と怒りそうになる明日香。



しかし当の桜は気にした様子も無く笑顔を藤に向けた。

「私は桜だよ~、桜って呼んでね~」


それを聞いた藤は「フッ」と笑うと、

「お~、そのまんまやんけ」

「まあええわ、、桜もあれか? アメヤンと同じ大学か?」



桜は藤に歩み寄る。

「そうだよ~」

「今日はね、、あす、、じゃなかった、、雨音さんが何して遊んでるのか教えてもらい来たの~」



明日香は、この桜と藤が何となく似た者同士でフィーリングが合うような気がした。

と言うか、どっちも人の懐に入るのが上手いタイプだ。

慣れ慣れしいところはあるが、、。


それにしても、蓮香も桜も気を使ってくれているようだ。

わざわざ私の事を”雨音”と言ってくれているのだから。



蓮香が思案するように藤へ話しかけた。

「実は、雨音お姉様と一緒に楽しめるゲームを探してまして」

「3人以上で一緒に楽しめるゲームなんて、普通はないですよね?」



藤も思案する素振りを少しみせる。

そしてわざとらしく何か思いついたように、手のひらを拳で打った。

「あれがあるじゃ~ないか!」

「D&D3とか、エイソルとか、天地を制すとかよ~」



「あ~、、たしかに、、」

頷いてしまう明日香。

「でも3人でやったら難易度が、、それなら4人でやる方がいいのだけど、、」

と反論してみた。



すると藤はドヤ顔で明日香を見やった。

「俺がいるじゃ~ないか!」

「引率してやるよ」


桜が驚いた顔をする。

「藤君、ゲーム上手いんだ?!」


『って、、桜さん、一回り以上歳上の肉屋にタメ口か、、』

『まあ、私もそうだけど、、』

と内心で桜と己に突っ込んでしまう明日香。



蓮香は嬉しそうに藤にお辞儀すると、

「では、お願いしてもいいですか?」


藤は何だか嬉しそうにガッツポーズをする。

「おう! 任せとき~」



まあ、お節介な女好きの引率役をゲットしたのはいいけど、、。

本当にこんな展開で良かったのだろうか、、、と心配になる明日香であった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ