水面の美女達(3)
ビーチボールでしこたま遊んでしまった明日香達。
かなり疲れてしまったので一旦プールから上がり、BARカウンターで休憩することにした。
洒落たBARカウンターで、バーテンは20代半ば程のボーイッシュな女性だ。
バーテンは明日香達を見て「芸能人が来たかと思った」と言いだす。
詰まり4人とも美形なので、そう思ったのだそうだ。
褒められて悪い気はしないが、流石に口が上手い接客業だと明日香は思ってしまう。
気分が良くなった明日香は、日頃余り飲まないアルコールを注文した。
自分より桜や蓮香や雅が美形だと褒められた事が、明日香としては嬉しかったからだ。
まぁ上手くバーテンのお姉さんの口車に乗せられたと言うべきかもしれないが、、、。
そしてアルコールを摂取すればトイレに行きたくなるのは自明の理だ。
モジモジし出す明日香は、明らかに気もそぞろである。
すると蓮香が心配そうに耳元で尋ねてきた。
「お姉様、ひょっとしてお手洗いですか?」
明日香は苦笑して蓮香へ頷く。
「うん、、、お酒飲んだのは失敗だったかな、、、」
「ではご一緒しますね」
「下の方は細工してありますし、外さないと用も足せませんから」
「それに元に戻すには私が必要でしょう」
と明日香だけに聞こえるよう、小さな声で蓮香は言う。
そうして蓮香は桜と雅を見やると、
「お姉様とお手洗いに行ってきます」
そう告げて明日香の手を取ると、プール施設内のトイレへ向かおうとする。
桜は何か察したような顔をする。
「あ、そうか、、、一人じゃ戻ってこれないのかぁ~」
「それじゃぁ明日香さん、いっといれ~」
「くだらないオッサンダジャレを言うのは、この乳ですか?!」
すかさず雅が桜の胸に平手打ちをした。
「きゃんっ!」と子犬の悲鳴のような声を出す桜。
相変わらずの2人だなぁ、、、と思いつつ明日香は蓮香と共にトイレへ向かった。
桜と雅を2人きりにして大丈夫なのか少し心配になってしまうが、漏れそうなので今は放っておくしかない。
トイレに到着すると、ちゃんと多目的トイレも設置されていた。
流石、高級ホテルの施設だ。
蓮香が多目的トイレの引き戸を開けて、
「お姉様の為にちゃんと調べて、このホテルのプールを選んだんですよ」
と自慢げに明日香江告げる。
この娘は本当に用意周到で根回しが利くと感心する明日香。
「蓮香は優しいね、、、ありがとう」
笑顔でそう告げる。
恥ずかしそうに明日香の手を取り蓮香は中に引き入れた。
そんな照れられると今からイケナイ事をする様で、こちらも恥ずかしくなってしまう。
蓮香は直ぐに扉のロックを掛けると、明日香に徐に近づく。
そして真顔で明日香に言った。
「水着を全部脱いでください」
「ほぇ?」と間抜けな声を明日香は出す。
「ワンピースタイプの水着ですから、全部脱がないと用を足せませんよ?」
そう言って蓮香は呆れた顔をした。
「あ、、、そうか、ビキニじゃ無いから下だけ脱ぐ事出来ないもんね」
「ごめんごめん、、、」
恥ずかしいが用を足す為、仕方なく水着を脱ぐ。
しかしこの後、もっと恥ずかしい事になるのを明日香はまだ知らない。
取り合えず水着を脱いでサポーターだけの姿になる。
この状態では胸のパットが入っていて、下も男性部分が細工して全く目立たない。
見た目だけなら明日香の外見は完全に女性だ。
そんな明日香を見て蓮香は、
「完璧です、、、明日香お姉様は私の最高傑作ですね」
などと自画自賛する。
そして明日香の前に屈み込むと、一気に下のサポーターを引き下ろした。
「ちょ、ちょっと蓮香!」
「自分で出来るから!」
と慌てる明日香から、蓮香は問答無用にサポーターを剥ぎ取ってしまう。
更に蓮香は両手をニギニギさせて明日香へ迫る。
「さぁ、次が本番ですよ!」
蓮香の妙な迫力に引いてしまう明日香。
「えぇ~なんか怖いよ~」
たかが用を足すだけで、何故にこんな苦労をするのかと思わずには居られない。
そうしてテープで留めた男性部分を元に戻し、用を足すところをガン見されるのであった。