表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/134

身内間の関係

色々とバタバタしたが、明日香達は漸く全員が水着に着替え終えて更衣室を出るに至る。

更衣室の外では山岸が少し疲れた様な表情で待っていた。



「声がここまで聞こえていましたよ」

「個室とは言え、注意して頂かないと、、、」

と不満そうに山岸が明日香へ告げる。



付き添いの身としては肝が冷え筈だ。

自分ではどうにも出来なかった状況とは言え、迷惑をかけてしまったと明日香は後悔する。

「すみません、山岸さん、、、」



少し落ち込んだように謝る明日香を見て、山岸の方がなんだか申し訳なくなってしまう。

「そんなに気を落とさなくても、、、」

「綺麗な顔が台無しになってしまいますよ」

そう明日香を励ますように山岸は言った。



すると桜が悪戯顔で、

「相手を落としておいて、そこから慰めるとは中々のやり手ですね!」

「流石、山岸さん! 大人の女です」

などと言いだす。



困った表情で否定しようとする山岸。

「え~、、、そんなつもりは、、、」



次の瞬間、雅が桜の背後から胸を鷲掴みにした。

「ひゃっ!?」と小さな悲鳴を上げる桜。


「迷惑をかけた原因は桜さんでしょう?」

「あんな事を明日香お姉様にしなければ、喘ぎ声を上げる事もなかったのに」

と言いながら雅は桜の巨乳を揉み続ける。



桜は困ったように、そして悶える様に小さな悲鳴を上げる。

「や、やめてぇ~!」

「そんなに(いじ)ったら零れちゃうよ~」


雅は執拗に桜の胸を揉み続け、

「何が零れるんですか?」

「胸ですか? それとも汁ですか?」

と滅茶苦茶な事を言いだした。



『汁って、そんなお下品な事を、、、』

『それにしても雅は桜に強いような気がするなぁ、、、』

そう明日香は思い何だか笑いが漏れそうになった。


誰にでも人懐っこい桜が、どうも雅には弱いような気がするのだ。

と言うか桜が雅に気後れしているのではなく、ただ単に雅が桜に対して強気なだけなのかもしれないが、、、。



そうして目一杯、桜を悶えさせて満足したのか雅は、

「オッパイお化けのお仕置きは、この程度でいいでしょう」

「さぁ行きましょうか、お姉様」

すっかりご満悦の様子で明日香へ笑顔を見せて言った。



布地が少ないブラジリアンカットの水着が仇となったのか、桜の胸は揉まれて少し赤く手の痕が残ってしまっていた。

肌が白いと、こういう時に困りものである。



そんな桜を心配して蓮香が傍に近づいた。

そして桜の腰に手をまわすと、少し赤くなったその胸を優しく擦り、

「あら可哀そうに、ほんのり赤くなってしまいましたね」

「でもプールは利用客が少なそうですし、きっと人目は気にしなくても大丈夫ですよ」

と余り励ましになっていない言葉をかけた。



蓮香の言い様は的外れな気もする。

しかしそれよりも明日香は2人の距離感が気になってしまう。

何と言うか、まるで恋人同士の様に近いのだ。


桜は自分がバイだと自称しているし、蓮香も桜と共に明日香のファンクラブを作る程、意気投合している。

ひょっとしたら、、、と考える明日香。


自分を慕ってくれている2人なだけに、少し複雑な気分である。

まぁ、仲が悪いよりはよっぽど良い事なのだが。



そう思いつつも雅に手を引かれ、プールへと到着する。

思った以上に広く本格的に泳げる25mプールと、その隣に上から見ると勾玉のような形のプールが目に取れた。

利用客は(まば)らで、大衆のリゾート施設と比べると随分と雰囲気が違う。


しかもプールの一画には、お洒落なBARカウンターもありセレブ感が伝わって来る。

これが大衆施設だと屋台や売店になってしまうのだ。

ほんの少しだが明日香は、自分が場違いなのではないかと感じてしまった。



でもそんな事を考えていては、一緒に来てくれている3人に申し訳が無いとも思ってしまう。

だから明日香は思い切って一歩を踏み出す。



『何だかこの旅行は、初体験がいっぱいだな~』

きっとこの3人の娘と居れば、楽しい初体験を沢山出来るに違いない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ