生着替え(1)
色々あって何とか女性のような股間になってしまった明日香。
一見しても、ガン見しても男性とは全く思えないフラットな出来栄えだ。
だがまだ胸が完成していなかった。
先ずはヌーブラでベースとしての胸を形成するのだ。
しかしプールに入れるように色々手伝ってくれるのはいいが、何とも破廉恥な状況である。
下は細工の上にサポーターを穿かされているが、真っ裸と殆ど変わらない状態の明日香。
しかも傍には全裸の桜、蓮香そして雅が居る。
「先に水着に着替えてくれればいいのに、、、」
と明日香がぼやく。
「フフフ、これはサービスだよ~」
「全裸の美少女3人に甲斐甲斐しく世話されるのは、男冥利に尽きるでしょ?」
そうニヤニヤしながら桜が言った。
「美少女って自分で言うか、、、」溜息をついて明日香は突っ込む。
その間も蓮香が明日香の胸にヌーブラを装着してくれている。
雅はと言うと、明日香用の水着を鞄から取り出している所であった。
ヌーブラが装着し終わり、次はサポーターを上から着ける。
どうやら下のサポーターと同じセットの物のようだ。
詰まり女装で水着になる為の、専用サポーターセットと言う訳だ。
何処で見つけて来たのやら、、、。
その胸用のサポーターは下と同じ黒色で地味なデザインだ。
また形はスポーツブラに近い物である。
そもそも水着の下に着る物なので、地味で目立たない方がいいのだろう。
そうして何とか基礎が完成して、漸く水着を着る事になる。
雅が差し出したそれは、黒いワンピースタイプの物で、可愛らしさと上品さが絶妙に融合した一品であった。
ワンピースタイプではあるが、ウエストの辺りが荒い網目になっていて上下を繋ぐ形だ。
そして背中が大きく開きオープンバックドレスのようである。
壁に大きな姿見が有ったので確認してみた。
自分で着てみて言うのも何だが、似合っていると思ってしまった。
「誰が選んでくれたのかな?」
「これ凄く良いよ」
すると蓮香が照れた様子で小さく手を上げた。
「私です、、、」
「気に入って貰えて良かったです」
「それは私からのプレゼントですので、もらってやって下さいね」
「ありがとう、蓮香」
そう言って蓮香を抱きしめようとした明日香だが、まだ素っ裸なのに気付く。
そして明日香は苦笑いする。
「皆んな良い加減、水着着てくれないかな?」
「目のやり場に困るから、、、」
釣られて蓮香も苦笑した。
「ですね、、、」
そうしてやっと女子3人が水着に着替えだす。
桜の水着は明日香と同じ黒色だが、露出が結構あるブラジリアンカットのビキニだ。
これは桜が着るとかなりセクシーで、正直全裸より目のやり場に困ってしまう。
「桜、、、凄く似合ってるけど少しエッチ過ぎない?」
明日香が少し困った様子で言うのを見て、桜は嬉しそうに悪戯顔を浮かべた。
似合っているので良いとは思うが、明日香的には他の男共の視線を集めそうで少し嬉しくない。
『あ、、、』
『この気持ちって私の独占欲なのかな、、、』
明日香は自分の中で芽生えた気持ちに驚いてしまった。
以前は余り他人と密接な関係を持つことが無かった。
なので人を”自分のモノ”のように思い、それが自分以外の人間に干渉される事で嫉妬するなど有り得なかったのだ。
『人を好きになると心の弊害が起こってしまうのね、、、』
『私の”この気持ち”で、桜達に嫌な思いをさせない様に注意しないと、、、』
一方、雅はワインレッドのビキニを着て、見てくれと言わんばかりに明日香の前に立った。
明日香と同じホルターネックだが、首にかかっている部分は2cm程の幅しかない帯だ。
その帯は脇からバストを吊り上げる様に伸び、鎖骨がある首元でクロスしていて、胸を寄せている為に何だか色っぽい。
桜程では無いが布地も少なめで、ホルターネックと対になる様に胸下にも帯が伸び、鳩尾辺りでクロスして背中に回されている。
これがフェイクレイヤード風に見せていて、更に色気を強めていた。
またスポーティーな体形の蓮香はビキニが良く似合う。
何と言ってもDカップ程の胸と、薄っすらと割れている腹筋とのアンバランスさが絶妙に見る者の煩悩を刺激してしまうのだった。
明日香は少しウットリしてしまい、ソッと蓮香の腹筋に指で触れてしまう。
「蓮香も良く似合ってるね」
すると蓮香は少しだけビックリするが、嬉しそうな笑顔を見せた。
「ありがとうございます、、、」
「今なら幾らでもおさわりオッケーですけど、公衆の面前では控えて下さいね」
明日香は苦笑いしながら頷く。
「う、うん、、、」
さて最後は雅だ。
どんな水着なのか楽しみである。
だが姿が見えない、、、。
と、思ったが桜の後ろに隠れて恥ずかしそうに顔だけ出していた。
全裸では全くそのような素振りは見せていなかった雅。
『水着を着た方が恥ずかしいって、どう言う訳?』
首を傾げながら興味津々に、雅に近づく明日香であった。