旅行二日目の装い
出掛ける支度を済ませ、遅い朝食を済ませた頃には午前11時を回ってしまっていた。
因みに明日香の今日のお出かけコーデは、以下の通りだ。
濃い緑を下地に白のチェック模様が入った超ミニの巻きスカート。
トップスはスカートの色と同じ深緑のキャミソール。
アウターはミリタリー風の黒いシンプルなジャケットだ。
そして黒のニーハイを履き、足元はスニーカーである。
絶対領域とキャミソールによる肌のチラ見せがセクシーさを強調する。
だが少し武骨なミリタリージャケットで、全くエグ味を感じさせない扇情的な雰囲気を演出できていた。
更に口元を真っ赤口紅で装い、目元もハッキリとさせたメイクで仕上げる。
髪型は緩く編み込み、プールで濡れにくい様にアップに纏めた。
「何だかボーイッシュな感じですけど、所々に女性さが有ってしかもエロいのが最高です、、、」
と雅が明日香を見つめてウットリしながら呟いた。
雅の言い様に苦笑する明日香。
「ボーイッシュと言うか、、、本当は私、男なんだけどね、、、」
すると少し怒ったように雅が明日香に詰め寄ると、
「お姉様は男性ではありません!」
「性別は、”明日香お姉様”なんです!!」
良く分からない滅茶苦茶な事を言いだす。
そんな雅のコーデは、萌え袖の桃色ニットと、黒のロングフレアースカート。
足元は黒のショートブーツだ。
髪の毛を明日香と同じくアップに纏めていて、女の子らしい装いでとても可愛い。
その上、少し大きめのニットをも盛り上げる胸のシルエットが魅惑的だ。
雅は小柄で幼く見える為、その胸とのアンバランスさが、色んな意味で見る者の煩悩をくすぐってしまう。
「まぁ、明日香さんは見た目は完全に女性だもんね~」
「しかも羨ましいくらいに超美人だし」
そう真顔で言う桜。
その桜の装いは、クリームブラウンのショートワンピースである。
デコルテと肩から腕までの袖がシースルーで、まるでオフショルダーの様に見え中々にセクシーだ。
そしてストッキングなど穿かずに生脚で、全体的に肌の露出が多い。
足元はゴールドのパンプスだ。
少し派手目の色だが、桜の明るめの髪色と、落ち着いたワンピースの色を考えると丁度良く見えた。
髪の毛はストレートにままで、プールに入る時はポニーテールに纏めるそうだ。
桜は思い出す様に、いやらしい笑みを浮かべて、
「でも夜はとっても激しいんだから~!」
「男の子じゃなくて狼さんだね!」
などと言ってチラリと明日香を一瞥する。
「いちいち余計な事を言わない!!」
と明日香はついつい突っ込んでしまった。
昨夜の事を思い出してしまい恥ずかしくて仕方がない。
惚気とも言えなくも無い、そんなやり取りを悔しそうに眺める蓮香。
そして少し取り乱してしまったのか、
「一番最初にお姉様に抱いて貰ったからって、いい気にならないで下さい!」
「私だって、、、うぅ、、、」
と言い放つと勝手に気落ちしてしまった。
『えぇ、、、?!』
『蓮香って、こんなキャラだったかな、、、』
そう思いながら明日香は、自分が原因で喧嘩になっても困るので急いで蓮香を慰める。
ソッと蓮香を抱き寄せて、頭を優しく撫でてあげた。
すると蓮香は明日香を上目遣いで見つめて、
「本当は私だけに優しくして欲しいのですが、、、」
「こればっかりは仕方ありません」
「”私達”だけに優しくして、愛情を注ぐ事を許可します、、、」
と強気な発言だが、弱々しい声音で何とも迫力が無く可愛らしい。
いつもの冷静さは何処へやら、、、。
そんな蓮香のコーデは、タイトな黒のニットのトップスに、スキニージーンズだ。
上下共に身体のラインがしっかり出てしまう為、スタイルに自信が無いと着るのは難しい。
しかし蓮香はスポーティーな体形で、しかも出る所もしっかり出ているので十分過ぎる程似合っていた。
そして足元はトップスに合わせて黒のショートブーツを履いている。
髪型は編み込んではいるがアップせず、サイドに流す形だ。
3人とも服のセンスが良く、スタイルも実に良い。
こんな娘達が水着になって自分の傍に居てくれると思うと、明日香は何だか世の男共に申し訳無くなって来た。
3人も妙齢の女性を明日香一人で独占しているのだから。
そうしてバチが当たらない事を祈りつつ、明日香は脇村が運転する車に乗り込むのであった。