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桜と明日香の夜

夕食を済ませた後、ほろ酔い気味で離れに戻る明日香と桜。

一方、蓮香と雅は気を利かせて遅れて戻るようである。



離れに戻るまでの間、桜はグイグイと明日香の手を引っ張り先を歩く。

何と言うか積極的であり、気のせいか男前な雰囲気を桜から感じた。



「先ずは一緒にお風呂を済ませよう」

と桜が一瞬だけ明日香に振り向き笑顔を見せた。

やっぱり表情がいつもと違う。


説明するならば日頃は柔らかく優しい表情の桜。

そしてコミカルなイメージで接し易い雰囲気だ。


でも今は目が鋭く表情が引き締まっている。

更に言動もコミカルさは鳴りを潜めて何だか格好良い。



『まさか酔うと性格が変わるタイプなのか?!』

桜の意外な個性?に少し驚いてしまう明日香。



離れに到着すると、有無を言わせず明日香は脱衣所に連れ込まれてしまった。

そこから一気に明日香の浴衣と下着を剥くと、桜も手早く浴衣を脱ぎ捨てた。


どうやら下着は身に付けていなかったらしく、いきらに全裸の桜。

一方、恥ずかしくて明日香は股間を手で隠すが、桜は全く気にした様子も無く堂々としていた。



「明日香さん、身体を洗ってあげるからおいで」

と桜は言うと明日香に片手を差し出す。


釣られて明日香が片手を差し出すと、桜に突然掴まれて抱き寄せられてしまった。

「キャッ」と女の子のような声が漏れてしまう明日香。

そんな様子を見て桜はニヤリと悪戯顔を浮かべた。



そこから桜は明日香の腰に手を回して前半身を密着させる。

桜の余りの早業に成す術がない明日香は、その扇情的な感触をモロに感じてしまい煩悩ゲージが一気に跳ね上がってしまう。



明日香が困り果てて抵抗しようとした時、桜の空いていた手が明日香の肩に回される。


それに気付いた時には、既に桜の唇が明日香の唇を塞いでいたのであった。

まるで明日香の体内を蹂躙するような濃厚で情熱的な桜の口付け。

もはや明日香は抵抗する術も意思も無くし恍惚としていた。



頭の芯がボーッとして体中が火照るような感覚に支配される。

桜はソッと唇を離す。

「先ずはお風呂で身体を綺麗にしてからだよ」




明日香は桜に触れられた時の快感に抗おうとしたが、逆に脚から力が抜けてしまいそうになる。

そんな明日香を優しく抱き留める桜。

「危ないよ、、、」

「落ち着いてからお風呂へ行く?」



明日香は苦笑して首を横に小さく振った。

「ううん、、、こんな恰好でここに居たら風邪ひいちゃうよ」

「情けないけど少し肩を貸してね」



「うん」

「でも情けないとか思っては駄目だよ」

「私は明日香さんの全てが大好きで愛しているんだから」

桜はそう告げると明日香に寄り添い風呂場へ向かう。


愛の言葉で諭されて明日香は何だか胸が切なくなり、そして嬉しくなってしまった。

だからいつもなら恥ずかしくて言わないような言葉が明日香の口を突く。

「私も愛してるよ、、、」



それを聞いた桜は照れてしまったのか、そっぽを向く。

だが隠しきれないその横顔は、まだ温泉に浸かっても居ないのに赤味を帯びるのであった。



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