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食事内容は夜の為

注文した飲み物が明日香達のテーブルに届く。

明日香はレモンサワーを片手に、他の3人は皆ウーロン茶で乾杯をする。



何に対して乾杯したかと言うと、勿論自分達が家族になる事にだ。

少し気恥ずかしかったが明日香はとても嬉しかった。

こんなに自分を慕ってくれる美少女が3人もいるのだから。



ふと近くのテーブルに着いている山岸と脇村を見る明日香。

山岸はこちらの3人娘と同じくウーロン茶のようだ。

しかし脇村は黒い液体に気泡が出ている飲み物、、、恐らくコーラぽい物を飲んでいる。

見た目40過ぎのオッサンがビールとかではなくコーラとは、何だか可笑しくて笑いが込み上げてしまう。



そんな明日香の視線に気付いた脇村が、

「実はお酒が苦手でして、、、」

「でもコーラとか炭酸飲料は大好きなんですよ」

と少し照れた様子で言った。



対面に座っている山岸は「フッ」と鼻で笑う。

「どこに行ってもこんな感じの事を言ってるわね、脇村君は、、、」

「まぁまだ車を運転する可能性があるから、アルコール類を選ばないのは正解だけどね」



この2人は明日香達の付き添いでドライバーなのだ。

何だか自分達の我儘で付き合わせている気がして申し訳無くなる。

「すみません、、、一週間近くも拘束する形になってしまって、、、」

そう明日香が山岸と脇村に告げた。



すると脇村が明日香の言いようを止める風に片手を小さく横に振る。

「いえいえ、お気になさらずに」

「それだけ十分な給金は頂いていますので」


山岸も続いた。

「そうですよ、私達には気兼ねなく楽しんで頂ければ良いのですから」

そして少し考える素振りを見せて、

「もし明日香さんが気になるのでしたら、何か私にご褒美でも頂ければ!」

「何っ、物とかじゃなくて気持ちで構わないですから」

などと言いだす。



これには蓮香が少し不機嫌な表情を見せた。

それに気付いた山岸は、

「おっと、、、蓮香さん、冗談ですよ!」

(すか)さず苦笑しながらフォローを入れる。



溜息をつく蓮香。

「まぁ多少の事でしたら私は構いませんよ」

「お姉様が山岸さんにしてあげたい事が有るなら、常識範囲でしたら許可します」



この状況に明日香は首を傾げてしまった。

普通の男なら自分の彼女だったり嫁だったりに、こんな事を言われて黙っている筈がない。

それは男の自尊心と言う物だろう。


しかし明日香にはそれが殆ど無い。

どちらかと言えば中性の女性寄りなのである。

故に蓮香がそう言ってしまった気持ちが分からないでも無いのだ。

なのでここはどう対処する?、正しくはどうリアクションするかになるのだが、、、。



明日香が逡巡している間に桜が話に割り込んでしまう。

「じゃぁ私、山岸さんの肩揉んであげる~」


雅も続けて子供の様に片手を上げる。

「じゃぁ私は山岸さんの脚を揉んであげます!」


そんな無邪気な2人を見て明日香は感心した。

『成程、、、そんな感じで良いのか、、、』


桜や雅に倣って明日香も続くが、

「では私も山岸さんの、、、」

「、、、、、、」

『って、どこ揉むんだよ、、、』

と後が無い事に気付く。



そうすると絶妙なタイミングで桜が言った。

「胸とか?」



ギロリと蓮香に睨みつけられ慌てる明日香。

『え~~!?』

『そこは桜でしょ! 何故私を睨むの!?』



これは事故ったかな~と山岸は申し訳ない表情を浮かべる。

だが超絶美女で実は男性とか、とても有り得ない存在の明日香に興味が湧いていたのも事実。

雇い主の蓮香が機嫌を損ねない程度にスキンシップを図りたいと思ってしまった。



そうしてワイワイ騒いでいると昼食の料理が運ばれて来る。

先ず最初にテーブルに置かれたのは牡蠣の炊き込みご飯だ。

土鍋で4人前炊いたようで、シェアして食べる為に取り皿が4人分用意される。


続いて(まぐろ)と長芋の柚子胡椒マリネが置かれる。

サッパリしていて美味しそうだ。

それにこの2品だけでも滋養強壮の効果が高そうで精が付くだろう。


更にスープも提供される。

ニンニクのほのかな香りがする、、、。


このスープを手に取り蓮香が笑顔を浮かべた。

「これはスタミナスープです」

「元気になりますよ!」



『牡蠣に山芋、鮪にニンニク、、、』

『これって全部、色々とアレを元気にするような食材だし、、、』

と内心で思い何となく蓮香達の考えが読めた明日香。



これを突っ込むべきか迷っていると、桜がウッカリなのか天然なのか暴露してしまう。

「これで夜はビンビンだよね~!」



雅も鼻息荒くスタミナスープすすった後、

「ビンビンでカチコチです!!」

と良く分からない自信で言い放つ。



明日香は恥ずかしくなり慌てて桜と雅を止めようとする。

「こら~、女の子がそんな卑猥な事言わないの!」



そんな3人を見て頭を抱える蓮香。

「はぁ~、、、」


「折角こっそり精を付けて貰おうと思っていたのに、、、」

などと蓮香は独り言のようにぶつぶつ言いだす。



もう辛抱堪らず赤面した明日香は蓮香の口を塞ぐ。

「もうそれ以上言わないで~!」

求められる事は嬉しい事だが、第三者が傍に居る所で赤裸々に夜の予定を言われるのは恥ずかしくて耐えられない。



そんな4人の様子を山岸と脇村は苦笑しつつ見守るしか出来なかった。



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