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5.食べすぎはよくありません

 最近、週刊ジャ○プだけじゃなくてジャンプスク○アも読んでいる宮岡拓です。どもー。


 俺の周囲には可愛い女の子が多いです、それはとても嬉しくて、俺主人公的位置じゃね?とか思ったりすることもしばしば。


 しかし、その彼女たちなんですが……。


「拓君!私と一緒にお弁当食べてください!」


 と土下座して頼んでくるポニーテール暴走少女・塙山夕妃ちゃん。


「宮岡。海綿体の組織について勉強している。だから見せて」


 と変態的発言をまるで当然のように発する生きる18禁・一瀬葵さん。


「馬鹿兄貴、お金忘れたからお昼代貸してくれない?」


 と久々の登場でいきなり兄にたかる俺の実の妹・宮岡まりな。


 とまあ、個性的な子ばかりで、俺の妄想を一気に打ち砕いてくれやがります。こんなヒロインばかりの恋愛ゲームはもう、黒歴史ですよ。


「「「聞いてる!?」」」


「き、聞いてるよ!夕妃ちゃんと昼食の件は可。一瀬さんの話は完全に無理。まりなは、ほら500円ありゃ足りるだろ」


「ありがと!拓君、今日私凄く多めにお弁当作っちゃったから一緒に食べてくれる人探してたの!葵も、まりなちゃんもどう?」


「なぜ無理か。まぁ夕妃のお弁当に免じて今は許す」


「あたしもいいんですか?で、でも馬鹿兄貴からお金借りちゃったし……」


「いいのいいの。みんなで食べた方がおいしいでしょ。お金だって返せばいいんだし」


「じゃあ先輩の好意に甘えさせてもらいます。返す馬鹿兄貴」


 まさかこの超個性的軍団全員と食べることになるとは。嬉しいのか、それとも悲しいのか俺の心は、今まで仲のいい男子友達を異性として意識してしまい関係が今までのようにうまくいかない女の子のように複雑なのだ。


「それにしても弁当の量、おかしくね?」


 そう、俺たちの前に並べられる弁当の量はクラス全体で立食パーティーが楽しくできるぐらいだと言っておこう。


「えへ。作りすぎちゃった」


「もう、夕妃はおちゃめ」


「いやいやいや!おちゃめとかのレベルではないでしょ!?何これ?4人でも食べられないよ、無理だよ?クラスの力一丸にしないと食べきれないよ?」


 もうこの量を食べつくすにはそうする以外ない。


「男だろ?ちゃんと食べろよ、馬鹿」


 この脳筋愚妹は何を言っている!?俺は男だ、認めよう。しかしなぁ、さすがに……。


「「「いただきます」」」


 すでに3人は食べ始めやがったよ!?もうやるしかない、俺の底力見せてやんよ!




「情けない、妹として恥ずかしいね。何であんたの妹になっちゃったんだろう。これだけは親を恨むよ」


「ひ、ひどくね……さすがにそれは……」


 ここは保健室。俺たちはなぜここにワープしてるかっていうと――。


〜ちょっと前〜


「俺の底力見せてやるよ、ここからここまでは全部俺が食う!!」


 と、明らかに一人では食べきれない量を指定する俺。むしろ5人でもいけるかわからん量だ。


「おおおおおおおおおお!!!」



 ……てなったわけなんですけど。まぁ無理でして、お腹を壊しました――そのまんまの意味で。それで介抱役にまりながついてきたというカオス展開なわけなんです。


「まぁコメディ小説だからお腹が壊れてもなんとか治るものよ」


 そう言うのは保健教諭・永森若菜先生。まだ若いが、かなりベテランの雰囲気がある。まぁ単純に老けて――。


「切開!」


「危ねっ!!」


 若菜先生はメスを数本、俺に向けて本気で投げてきた。


「当たったらどうするんですか!?」


「どうもしない。そのままゴー・トゥ・ヘル☆」


 まったく笑えないんですけど……この人、まったく笑えないんですけど。


「ち」


 おいこら、まりなあぁ!!今、舌打ちしたよな!?お兄さんが助かって舌打ちしたよなぁ!?


「とりあえず私のこと、老けてるとか思ったり、万が一口走ったりしたら死ぬと思って」


「……了解です」


 この学園の保健室は安らぎの場ではないようだ。


「じゃああたしは戻るから」


「おう、サンキューな」


 こちらを一瞥もせずに保健室から出るまりな。何でこんなに俺に対して冷たいの?でも、保健室まで連れっててくれたしな……は!まさかツンデレ!?いや、デレたまりななんて見たことも聞いたこともないぞ。


「何か複雑な兄妹関係だな……よし、お姉さんに話してごらん」


「お姉さん……?」


「どうやら、君は命はいらないと見た。消えろ、宮岡拓」


「すいませーん!!」


 俺は襲いかかるナイフの嵐からギリギリのところで避け、保健室を出ることに成功した。



「死ぬかと思ったぞ……」


 現在地、屋上。ここならあの人の悪口を言ってもナイフは届かんだろう……まぁほんとに言ったらナイフ飛んできそうだから言いませんが。


「ここで何をやっている」


 凛とした綺麗な声。


 そこにいたのは、長く黒い髪をした超絶美人。


 彼女を知らない生徒はこの学園にはいない。


 そう、この学園の生徒会長――橘涼子がここにいたのだ。





 















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