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3.今日も大変な一日になりそうだ

 ピピピピ、ピピピピ。


「……朝?」


 とりあえずうるさい目覚まし時計を止める。しかし体がかなりだるい。これはおそらく昨日いろいろとあったせいだろう、体がかなり疲労している。


「学校行きたくねー……」


 しかし無情にも今日は平日、ゆっくりと休みの取れる日ではない。


「でも行くしかないよな、そろそろ朝飯の時間だし」


 こうなったら昨日はなかったことにしよう!忘れるんだ!うん、なんか気持ちが楽になってきたぞ。


「そうと決まれば早速準備しますか」


 パパッと準備を終わらせる。寝癖も直し、顔も洗い、朝の生理現象も沈静化した。完璧だ……完璧な宮岡拓だ!



「よし!行くか」


 俺は意気揚々と隣室を蹴破り、寝ていた則孝を叩き起こして食堂に向かった。



「いやぁ、昨日は大変だったな!お前の妹さん、デンジャラスすぎだぜ」


 妹がデンジャラス……何を言っているんだ則孝。そんな事実は昨日ないぞ?


「でも可愛かったな」


 あんなことされても挫けないとは――いやいや、あんなこととかなかった!うん、なかった!


「私もビックリしたよ〜」


「元気な妹さんだった」


 ブレックファーストを食べていた俺たちの所に来たのは塙山さんと一瀬さんの黄金コンビだ。昨日は二人のもう一つの面が――って昨日は何もなかったよ!


「宮岡」


「ん?何かな一瀬さん」


「朝○ちした?」


 な、ななななな何を言ってる!!この話はそんなにエロ重視してないのに、この人のせいでエロが普通になってきちゃったよ!?


「ちょ!おま!」


「おま?おまん――」


「駄目ェ!もう嫌だぁ!」


「私、まだ全部言ってない」


 耳の辺りまで口が避けたように怪しく笑う一瀬さん。駄目だ、昨日のことを思い出してしまう!


「ていうかガラッとイメージ変わったな一瀬。何か凄く話が合いそう」

 馬鹿なことを言う馬鹿。


「私はお前とは話す気にさえならない」


「何で!?」


「生物として好きじゃないの」


 …………。


「うっ……うっ……うう」


 則孝の目に涙が……頑張れ、俺はいつまでもお前とは話はしてやるぞ!友達じゃないけど。


「うわあぁぁぁあん!!」


 則孝の目に溜まっていた涙は遂に決壊し、食堂を飛び出してしまった。


「何か悪いこと言った?」

「いや、まぁ言ったよ……俺でも多分言われたらああなると思う……」


 もう一瀬さんは駄目だ……いろんな意味で駄目だ。この人は放っておこう。


「……宮岡君……葵とばっかり……何で私を見てくれないのかなぁ……私のこと嫌いなの?……じゃあ……どんなことしたら……振り向いてくれるんだろ……彼の周囲に私しかいなかったら……自然と振り向いてくれるかな……じゃ周囲の人間を殺せばいいの……?」

 …………。 断片的にだが殺すとか聞こえてきたんですが……。塙山さん……君は。


「放っておいたら暴走するかもね」


「え!?ど、どんな風に?」


「おそらくは空の鍋をおたまとかでかき混ぜてたり、鉈とか持ちながら襲ってきそう」


 何ですか、その妙にリアルな意見。どっかでそんな女の子見たことあるし。


「と、とりあえず。は、塙山さん?」


「まず手始めに――え?み、宮岡君!?」



「落ち着いた?」


「え、あ、うん……落ち着いてきた」


 狂気にかられたような表情からいつもの綺麗な表情に戻ってくれた塙山さん。


「困ったことがあるなら言ってよ。助けられそうなことだったら協力するから」


「あ、ありがとう」


 顔を赤面させる塙山さんはどことなくいつもよりも可愛かった。しかし――。


 ブシューッ。


 俺をうっとりした目で見ていた塙山さんは凄い勢いで鼻血を吹き出した。


「は、塙山さん!?」


「幸せすぎて鼻血が出たみたい」


「幸せって何で!?というかなぜ鼻血!?」


 不思議と楽しそうに一瀬さんは塙山さんを見つめていた。まるで、母親のように。

 塙山さんは止めどなく鼻血が垂れ続けていた。


「ああ!塙山さん!今、保健室に連れてくから!」



 どうやら今日も大変な一日になりそうだ……。忘れることなんて出来やしないな。


 でもこんな日常も悪くはないかも、なんて思っている。

エロはやや多めでいきます(笑)これから頑張って面白くしますので、よろしくお願いします!

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