2.妹暴走、その他も暴走
「馬鹿兄貴!!」
やっぱりそこにいたのは約1年ぶりに見た妹だったわけなんですが……。
「呼んでるんだから早く来なさいよ」
相変わらず俺に対して凄く冷たいですね……。
「ひ、久しぶりだな、まりな。元気か?」
「そんな挨拶はいらない。それよりも2年生であたしのこと、盗撮とかしてる人いない?」
盗撮って……こんな胸AAカップが好きな奴とかいるの?いや、いるよな、うん。貧乳もまた一つのステータスだもんな。
それよりも盗撮なんてする奴いたかな――あ。
「あれ」
俺は則孝を指差す。すると、まりなは親の敵を見たかのような形相をした。もう、般若なみ。
「あんたはぁぁぁ!!」
まりなが則孝に向かって全力疾走。そのスピードは恐らく、音を置き去りにしたのではないだろうか。気付いた時にはもう、則孝の顔面にまりなの膝がめり込んでいた。
「あんた、この前あたしの周りでこそこそしてた奴ね」
「……あ、あ……う……」
「何とか言え!」
言葉を発することさえ、困難な則孝に追い討ちをかけるように蹴りを入れるマイシスター……。
「お、落ち着いたらどう?」
「冷静になるべき」
則孝の近くにいた塙山さん&一瀬さんペアがマイシスターまりなを止めに入る。危険だぁ!二人とも逃げろぉ!
「え?……あ、は、はい。すみません、気が動転してしまって……」
意外にも控えめな反応にお兄ちゃんビックリだ。もっとこう、
「はぁ?邪魔しないでくれる?」とかかと思ってた。
「いや、多分こいつ(則孝)が悪いんだと思うし。自業自得でしょ」
「人として駄目。いや、生物として駄目だから」
そして案外冷たいお二人。特に一瀬さん、生物としてNG出されたらそいつもう駄目じゃないですか、いろいろと……。
「で、ちょっと宮岡君と話してるの聞こえちゃったんだけど……盗撮ってコレ?」
塙山さんは則孝の携帯を取り上げ、さっきまで見てたまりなの画像を見せた。
「こ、これです!やっぱりアンタが……」
「落ち着け、まりな」
とりあえずここは落ち着かせないと面倒になっちゃうからな、お兄ちゃんとしてここははっきりと――。
「邪魔するな、○起不全野郎!」
な、ななななナニを、いや、何を言ってますかぁ!だいたい不全じゃねぇよ!?正常だよ、むしろ正常すぎて――いや、R指定じゃないからね、この話?言えませんよ。というか、そんな言葉どこで覚えたぁ!
「イン○なんだ」
あぁ、やっぱりか、やっぱりきたかエロ魔神一瀬葵!
「わ、私はそれでも、その受け入れるよ……」
塙山さんまで何を言ってるんだ!違う、そういう話じゃないってば!
「俺は正常です!不全じゃない。んでもって落ち着け。暴力だけじゃ解決するものも解決しないぞ!」
「むぅ……」
落ち着いてくれたのか、まりなは握りしめていた拳をほどいてくれた。
「なかなか大きい、でもイン○」
「だ、だいたい、人の価値はそんなところじゃなくて――」
もう、こっちの18禁と暴走特急は置いとこ。
「それで、則孝。確かにまりなの画像を持っていたわけだが、盗撮はしたんだな?」
「ふぁ、ふぁい(まだうまく喋れない)」
「よし!やっていいぞ、まりな」
「うん!」
「ひょ、ひょっとまってぇ!はっき、ほうりょくじゃかいけつしないって……」
何を言ってるのコイツ?人の妹に手を出しておいてただで済むと思ってんのか。
おっと、すでに気絶したか。
「まったく。入学早々困ることばっか」
「そういう時は兄を頼れ」
「馬鹿じゃないの?気持ち悪い、だいたいコイツだってアンタの友達なんでしょ?」
則孝が友達?
「いやいや、ないから。顔見知りというかパシリ」
「……まぁいいわ。じゃ昼休みも終わっちゃうから戻るね」
「お前はいつから変わったんだ?昔はおにーたーんってなついてたのに……」
「いつの話だぁ!」
まりなの拳が顔にめり込む。仮にも乙女が、グーで……。
「戻る!」
プンプンしながらまりなは自分の教室に戻っていった。
さて、これらをどうすればいい?
「…………う…………」
死にかけの則孝。
「行為を行う場合はバイ○グラとかオススメ」
エロ魔神一瀬さん。
「だからその例え拓君が、その、ふ、不全だとしても私ならそういう行為も無理にしようとは思わないし、不満なときはちゃんと自分で慰めるから、えとその――」
暴走しまくる塙山さん。
うん……放置しよう。
エロくなってしまいますね(笑)。まぁ面白けりゃなんでも良しで!