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1.今、俺の戦いは幕を開けた!

 朝から大変な目にあってしまった……とりあえず、塙山さんには俺が好きなのはポニーテールということを理解してもらい(何故かクリスマスにプレゼントが貰えなかった子供くらい残念そうだった)、一瀬さんには……うん、あまり関わりを持つことをやめようと決心をした。


「……眠い」


 現在は4時間目の授業中、科目は現国。教卓で話している教師が何を言っているのかまったく頭に入ってこない。


「ん?」


 ボーッと隣を見ていたら、隣の隣の隣の席の一瀬さんと目があってしまった。


「ニヤリ」


 妖しく、また美しい笑みで俺を見ている。可愛いけど何か、こう、捕食者のような感じが滲み出ている。


「うっ……」


 耐えきれずに前を向き直す。やはり彼女の認識を改め直すしかないな。

 そして俺の前の席はポニーテール少女の塙山さんなのだ。必死に何かノートに書いている。気になる、超気になる……どう見ても黒板を写しているようには見えないし。


「……ちょっとだけなら」


 若干、身を乗り出して塙山さんのノートを見る俺。


 ……衝撃。


 ノートの中には

「宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓宮岡拓――」の文字がぎっしり。……超怖い……やっぱり俺何かしちゃったよぉ!


「ハァハァ……拓君……ハァハァ」


 塙山さん息荒くない?何か体が火照っている気がしないでもないし、やっぱり病気なんじゃ……。


「塙山さん」


「ハァハァ……え!?あ、ああ、な、何かな、拓く――いや、宮岡君」


「何か熱っぽいよ、保健室行く?」


「だ、大丈夫。いつもの……いつものことだから。ハハ……」


 持病か何かなのだろうか。直接聞くのは気が引けるし、後で一瀬さんにでも聞いて……いや、やめておこう。


「そっか……うん、無理しないで」


「あ、ありがと」


 塙山さんにはちゃんと気を遣ってあげよう。



 持病持ちの塙山さんとか実は超淫乱な一瀬さんとかこの学園、凛海堂学園にはいろんな人が多い。結構な進学校らしいし、俺のように他県から来ている人も多いからだろう。


「おーい拓!言われた通りのあんパンとメロンパン買ってきたぞ」


 ちなみに現在昼休み。この馬鹿則孝にはお使いを頼んでいたわけです。


「サンキュー。はい、お金」


「おう。それにしても、俺は何で4時間目まで寝てたんだ?」


 そうなんです。コイツはついさっきまで寝てたんです。まぁ、元凶は俺なんですが……。


「知らないよ、寝不足だったんだろ」


「そうかもな!」


 やっぱり馬鹿だわ、コイツ。



「そういやさ、お前の妹もこの学園に来たんだろ?詳しく聞かせてくれよ!」


 何故そのことを知っている……俺だって先日に知ったばかりなのに。


「まぁ、来てるけど対して仲が良いわけでもないし」


 実際に仲は良くない。この学園に来るまでは、

「邪魔だからあっち行って」とか

「一緒に学校行くつもりないから」とか散々言われたもんだ。


「対して可愛くは……ないとも言い切れないけど、性格最悪で脳筋。以上」


 実際の妹なんて所詮そんなもんだ。どれだけ2次元に出てくる妹が愛らしいと思ってる。


「可愛いんだな!?他に容姿の特徴は?」


「えーと、胸はAAカップくらいで恐らくショートカットの髪型」


「もしかしてこの子か?」


 則孝は携帯を見せてきた。そこに映っていたのは――。


「……まりな」


 妹だった。


「え?どれどれ私にも見せて見せて」


「私にも」


 妹の話が聞こえたのか、塙山さん&一瀬さんのペアまで来た。


「この子だって!可愛いよな?」


「あぁ、この子が私の義妹になるのか……」


「え?」


「い、いや、何でもない!」


 物凄い勢いで首を降る塙山さん。良かった、さっきよりは調子が良さそうだ。ただそんなに頭を降り続けるといけないぞ。


「馬鹿兄貴!!」


 教室のドアの辺りで凄い聞き慣れた声、というか妹の声。

 そう、そこにいたのは紛れもない妹の宮岡まりなだった。

何か自分でもわからないキャラになってきました……(特に塙山さん)

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