0.プロローグ
見辛いかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです。
春の気候って素晴らしいですね。ポカポカしていてとても過ごしやすい。
こんな日はまだ少し残っちゃっている桜を見ながら優雅に学園生活を満喫するとしましょうか。
「拓!」
人がせっかく優雅に学園生活を満喫しようというのにいきなり大声を出すとは何事ですか。うるさいなぁもう、ここは教室だよ?
「この前、お前に送ってもらったエロサイト閉鎖してたぞ!」
何を白昼堂々、教室のド真ん中で言ってやがりますかぁコイツは!?しかも大声で言うこと?あぁ……女子の視線が痛い。
「拓君て見掛けによらず……」とか聞こえてくるし。
「どういうことだよ?せっかく昨日久しぶりにオナ――」
「それ言ったら18禁になっちゃうだろがぁ!」
とりあえずこの馬鹿をデストロイ!良い子達のためにもここはそういう発言は控えてもらわなきゃ。
あ、自分は良い子達の味方、宮岡拓です。この話の主人公的な立ち位置ですね。ちなみにデストロイしたこの馬鹿は佐藤則孝、悪友みたいなもんです(※親友ではない)。
「お、俺は……ただ……オナ――ゴフッ」
はぁ、はぁまだ息があったか。しかしこれで……。
「ったく、男はみんなそんな奴ばかりなのかしらね?」
後ろから聞こえてくるこの凛としていて綺麗、それでいて少しトゲがあるボイスは――。
「まったく。宮岡君は違うと思ってたのに」
我がクラスの人気者、塙山夕妃さんだ。声だけではなく顔立ちも綺麗なポニーテール少女だ。
ここで塙山さんのポニーテールについて詳しく、詳しく語りたいと思う。塙山さんのポニーテールはゴールデンポイントと呼ばれる位置よりも若干、高めで結ばれている。このゴールデンポイントよりも高めに結ぶ子の特徴は、個性的で強気な子が多い。また、低めで結っている子は大人しく、控えめな子が多いらしい。さらに言うと――。
「いやいや、もういいよ」
呆れ気味に言う塙山さん。でもまだスーパーポニーテールタイムは終了してないよ!?
「何を言うんだよ塙山さん、俺は大好きだから(ポニーテールが)!」
「へ……」
ボンッと顔が赤くなる塙山さんだが、何が起きたかはさっぱりわからない。病気だろうか?とても心配だ。
「あの、塙山さん。大丈夫なの?」
「へ?え、ええ、だ、だだだた、たいじょうぷよ!?」
駄目だぁ!何かが塙山さんの身に起きた!すると、急に俺の隣の隣の隣の席の女の子が立ち上がって、こちらに向かって来た。
「夕妃、落ち着く」
そういって彼女は塙山さんを落ち着かせようとする。彼女は塙山さんの親友、一瀬葵さん。勉強も運動もできる子なんだけど、あまり塙山さん以外の人と喋っているところは見たことがない。
「宮岡が好きなのはポニーテールとエロだから……聞こえてない……」
うんうん、ポニーテールとエロは最こ……って!
「おいっ!エロって、いやまぁ否定するのは健全男子にはできませんが、いやあの、ねぇ?基本的にそこまでエロくはない……つもりです」
「じー……」
否定する俺は一瀬さんに探りを入れられるように、観察されている……と思ったのだが、一瀬さんは俺のある一点を凝視していた。
「……どこを見てます?」
「股間」
無意識に手で抑える。
「いいもん、持ってる☆」
親指を上げてサムズアップする一瀬さん。アンタそんなキャラだったの!?アンタこそエロ大好きだろ!?
「大好き」
……真面目で硬派なイメージだった一瀬さんが崩れていく。というか心の中、読まないで!
「淫らで妖艶なイメージ」
止められねぇ!塙山さんは何かまだ顔が赤く、ぶつぶつと何か言ってるし、馬鹿(則孝)はデストロイされたままだし。
「気持ちいいことしたことは?」
「キモチイイコト……トハ……?」
せめて、温泉のマッサージとかであってくれ。
「エッチ」
…………。
父さん、母さん、息子はとっても個性的な友人に囲まれて学園生活を送っています……心配は……とてもしてください!俺の貞操が、貞操がぁ!!
「落ち着く。まずは屋上で野外……いや、体育倉庫が定番」
「何の!?」
「エッチ。行かないの?」
「行きませんっ!!」
今年で晴れて高校2年生になった俺ですが、生きて卒業できるでしょうか?むしろ3年生になれますでしょうか?
「セック――」
「もういいわっ!!」
どうだったでしょうか?基本的にエロは少なめにしようと考えてはいるんですが……(笑)