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休欠鬼  作者: 蚊取り線香
第二章~1月~
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第一話

拝啓 新春とは申しながらまだ厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。私はお酒による頭痛で穏やかな気持ちではございません。新年を迎え、お酒の場が多いでしょうがお気を付けてください。


さて、昨日は多忙ながらも充実した一日でした。しかし、新しい年を迎えても鬼不足は変わりません。今日も今日とて仕事です。この鬼不足が解消されるのはいつになるのやら。


去年の十二月に出会ったばかりではございますが、本年もお付き合い頂けるようお願い申し上げます。

敬具


謹賀新年きんがしんねん、皆さんおはようございます。年が明けましたね。年賀状を見ますと賀正がしょう迎春げいしゅん寿ことぶきとの言葉が並びますね。これらはどれも祝いの言葉ですので、頂くと何やら喜びの感情が湧き出てきます。


ところで、この謹賀新年や賀正、迎春の違いを皆さんご存知でしょうか。

謹賀新年は「つつしんで新年をお祝いします」という意味で、自身をへりくだって言う言葉です。恭賀新年きょうがしんねんも同じで「うやうやしく新年をお祝いします」と自分を下げて相手をうやまう言葉です。


賀正、迎春は「正月を祝う」「新年を祝う」といたってシンプルな祝いの言葉となります。これには相手を敬う意味は含みませんのでご注意ください。寿については言う必要がありませんよね。


これらの違いがあるからには、目上の方に対しては相手を敬う「謹賀新年」と「恭賀新年」を使いたいものです。


そのほかにも元旦は「一月一日の朝」元日は「一月一日終日」など、いろいろ違いがあって日本語の面白さがあります。


さて、こんな意味はあっても楽しくない話ばかりしても面白みはありませんよね。ということで、改めて言いますね。


皆さん、あけましておめでとうございます。

本年も、どうぞよろしくお願い致します。


私は今、二日酔いによる頭痛で、朝の演技に差し支えないか心配です。この頭の痛み、二日酔いのものなのか、悩みによるものか。もう自分自身でさえわかりません。しかし、仕事は休めませんので痛む身体に鞭打って駅へ向かいます。


「先輩、おはようございます。」


人生って不思議ですね、嫌なことは立て続けに来るものです。会いたくない人に会いました。

元気よく挨拶することは重要ですよ。それに、目上の人に会ったらすぐさま挨拶、と私が教えました。礼儀ですから。でもですよ、二日酔いの私にとってこの元気な挨拶は毒です。頭に響きます。


「先輩どうしました。」


なんていい笑顔。まぶしい朝日がこんな近くに。犬養いぬかいさんは悪くないんです。体調管理も仕事の内、私が悪いのです。


「昨日のお酒が抜け切れていないみたいで。」


私の言葉を理解したのか一度拍手をし「なるほど」といいやがりました。やめて、頭が、もう私のHPはゼロに近いんですよ。


「先輩、二日酔いなんですね。二日酔いってつらいですよね、頭がガンガンするというか。」


わかっているならほっといてくださいよ。なんですか、この子。私をいじめて楽しんでいるのですか。あぁ、頭が、気持ちが昂ると私のHPがまた。


「先輩。ふらついてますよ。もうすぐ駅ですから頑張ってください。そこで水を買いましょう。」


心配してるのか痛めつけているのかどっちですか。こうなったの、あなたが原因ですよ。それと揺らさないで、それとどめになるから、駅まで歩くから、お願いします。もう許してください、何でもしますから。


あぁ、意識が遠のいていく。敵が勇者に倒されるときの感覚ってこんな感じだったんですね。勉強になりました。さよなら7:00の電車、ここで私は倒れます。そして、許すまじ後輩。


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