4話 エルフと名前
あと少し進めば、書きやすくなります。
目が覚めた。
僕はベッドに寝ていた。
怪我の手当てもしてある。
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた。
少し身構えると、金髪翠眼の僕と同じくらいの女の子が入ってきて、僕を見ると、少し笑っていた。
「起きました?」
首を縦に振ると、女の子は笑顔になり、どこかへ行ってしまった。
なんだったのだろう。
寝ていると、2人分の足音が聞こえた。
ドアの方を見ると、3人が入ってきた。
さっきの女の子と、女の子と同じ金髪翠眼で髪が腰まである人。
姉妹だろうか?
そして金髪紅眼のツインテールで、浮いている少女がいた。
3人には共通点があった。
耳が長い。
まさか…
「エルフ…?」
「そうだ、ここはエルフの里。そして私はこの里の長、アラベルだ」
金髪ツインテールの子が里の長らしい。
だとすると、見かけによらず100歳とかだったりするのか…
「私はサレナ」
姉らしき人がセレナさんか。
「私はセリアです!」
さっきの女の子はセリアというのか。
「お主、名前は?」
名前……
僕にはこの世界で生きた2、3年の記憶がある。
この身体の名前は、アリサ・クレイス。
どうしようか。
真として生きるか、それともアリサとして生きるか。
僕は……真だ。
「真、マコト・アラキです」
僕は真だ。
アリサの記憶もある。
だけど、悠、優也、1-Aのみんなのため、グロウルシアのために、僕は真としてやらなければいけないことがある。
そのためには、止まってられない。
「お主は森でゴブリンの前で倒れてたんだが、
聞くが、ゴブリンをやったのはお主か?」
「…はい」
ゴブリン…
怖い。
でも、みんなのためにやるしかない!
これから先、もっと沢山の魔物、魔族と戦うことになるだろう。
それでも僕はやる、やってみせる!
「…失礼だとは思うが、ステータスを見せてくれないか?」
「さすがにそれはダメですよアラベルさん!」
「お姉ちゃんの言う通りですよ!」
アラベルさんの後ろにいた2人が抗議していた。
やっぱり姉妹
「いいですよ」
「なら、遠慮なく……」
僕は半透明のステータスが書いてあるプレートを出して、アラベルさんに見せた。
「…なに!?」
アラベルさんは目を見開き、プレートを凝視した。
やっぱり、スキルの〈勇者〉だろうか?
「「どうしました!?」」
後ろの2人はアラベルさんの見ているプレートを見た。
「同い年だ〜!」「なに!?」
サレナさんの方は、アラベルさんと同じ反応をしていたが、セリアはわかっていなかった。
というか、セリアと同い年なのか、僕…
「どういうことですか、〈勇者〉って!?」
「えっ、勇者!?」
やっぱり〈勇者〉だったみたいだ。
セリアも見て驚いていた。
「その歳で、しかもLV.1でこのステータス。それに、スキルも多い。さすが勇者だな!」
アラベルさんは納得したみたいだ。
だがサレナさんは、
「さすが勇者だなじゃないですよ!どうするんですか?」
アラベルさんは少し考えて、
「マコト、保護者はいるか?」
「いない」
即答した。
実際そうだからだ。
この世界の親は数ヶ月前に死んでいるし、そもそも村の人が全員殺されているらしいし。
「なら、一旦この里に住まないか?」
「……え?」
……え?
やっぱり難しいですね。