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イケメンと一緒に歩くということは疲れることである

いやー、今日も暑いねー!

それより周りのカップルさんのほうが熱々でしてよ、奥様?


なんて意味不明な会話を脳内で繰り広げながら、歩道を歩く。

真夏の強い日差しにもめげずに無心で歩く。

共に歩いている幼馴染のイケメンのことを無視して早めの速度で歩く。


「ねぇ、もうちょっとゆっくり歩かない?どうしてそんなにゆっくり歩いてるの?」


もはや汗だくの私と対象的に汗一つかいていないヤツが私の腕をグイと掴む。

くそ、身体もイケメン仕様なのか!?まじイケメンチートだな!


「周り見てみなさいよ!アンタと歩くと周りの女の子の目が厳しいの!」

「オレなんか誰も見てないよ?ね?だからゆっくり歩こう?」

「思いっきり皆見てるよ!何言ってんのよ!」


お前の目は節穴か!!

女の子めっちゃ見てますけど?

ピンクのワンピの可愛い系の女の子も、セクシーなお姉さんも、小さい女の子も、そこのおばさまもばっちり見てますよ!?

ん?まさかあのおばあちゃんも見てる!?ほっぺ赤いし!


そして、隣にいる私を見る目が厳しい!

何?あんなブサイクが彼女なの?立場を弁えなさいよ!みたいな目をしてる。

いやはや、皆さん雄弁な瞳をお持ちですねー。

でもよく見てくれ!

私たちは断じて恋人ではない!断じて違う!


「岬の気のせいだよ。だからゆっくり歩こう?」

「いや!ってか、暑いし、何より香菜が待ってたらどうするの!」


手を振り払って、ズカズカと男らしく歩き出す。


暑い!

花柄のタンクトップに紺のショーパンは良いとして、室内が寒かったらどうしようと思ってパーカーきてきたのが悪かった。

でも上半身に日焼け止め塗り忘れたから脱げないし、最悪。


とにかく早く香菜と合流しよう。

と、思ったら横にさっきまであった気配が消えている。

あれ?変だなと思って後ろを見たら王子様らしからぬ切なそうな表情とオーラを醸し出している幼馴染がこちらを見ていた。


「なにしてんの?」

「今日の岬が冷たいなって・・・」

「はぁ?」


・・・晃一もとうとう熱中症?

水飲ませたほうがいい感じ?

なんて言う冗談は辞めておこう。流石に怒られるわ・・・


なんて答えたらいいかわからないから、とりあえず無言で晃一を見る。


白の英語ロゴのTシャツに水色無地のシャツ、そして黒の細身のジーンズ。

イケメンはすごくシンプルでもカッコ良く見えるんですね、勉強になります・・・って、ちがーう!

他に見るとこあるだろ?顔とか!

あれ?今日伊達眼鏡してるわー!


自分にノリツッコミしてたらだんだんめんどくさくなってきた。

もう知らん!


「バカ言ってんじゃないわよ!

ほらさっさと行くよ!黙って俺について来い!」

「それ、俺のセリフじゃない?」

「アンタが言わないから私が言ってやったわ!」


綺麗にケアされた長めの黒髪をわっしゃわっしゃかき回し、王子様に向かってドヤ顔してやった。


王子様はポカーンとしていた。

ははっ、ざまぁ!


「おいてくわよ!」

「あ、うん。ふふふふふっ。」

「何気持ち悪い笑い方してんのよ!」

「岬って、相変わらず面白いなって!」

「気持ち悪っ!」


王子様なのに一人称が僕ではなく俺なのは、反抗期(笑)の名残りです。

でも王子様ってどんな喋り方かわからなくて困っております・・・

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