「これ以上の出会いはない」
私は部屋に着くともらったスノードームをタンスの上に飾って眠りについた。翌朝、山上からたくさんメッセージが来ていた。
「結局は駅の近くにあった証明写真機の中で始発になるまで寝てました!」
「起きたので今から帰りますね!!」
「麗華さん、昨日は楽しかったです!ありがとうございました!また、別の日にいろんなところ行けると嬉しいです」
一応、昨日のデートは成功したようだ。終電を逃させた失敗はそこまで足を引っ張らなかったようでほっとした。山上にとってそこまで気にする必要のないことだったのだろうか?それからは、毎日のように連絡を取り合った。いつも連絡してくるのは山上の方からだった。
「次はどこへ行きましょうかね」
「私、16日と24日が空いてるのでどこかでデートしませんか?」
「では、16日にしましょうか!一緒に話しながら歩いてるだけでも素敵な時間を過ごせましたからね〜。どこに行くか迷ってしまいますね。水族館とかどうでしょうか?」
「あ、それ言おうと思ってました!」
「自分の予定表をよく見たら麗華さんとのお休み全部被ってました!麗華さんがもし良ければ全日でもデートしたいです!」
「いいですね!デートしましょう〜」
「そういえば今日は何をする予定だったんですかー?」
「今日は友達と遊ぶ予定だったのですが実は……風邪をひいてしまいました!なので今日は家でゆっくりすると思います。山上さん風邪ひいてないですか?大丈夫ですか?」
とメッセージを送った直後山上から電話がかかってきた。
「麗華さん、昨日は雨も降っていて寒い中ずっと外にいさせてしまって申し訳ないです。自分のせいで風邪をひかせてしまいましたね…」
「いえ、山上さんのせいではありませんよ!私は今日家でゆっくり過ごすことにするので…」
「わかりました、お大事にしてください。」
と通話は切れた。急に電話をかけられたことがなかったため私は少し不思議な気分になった。少しして山上からまたメッセージが来た。
「さっきはいきなり電話をかけてすみませんでした!!風邪をひいたとのことでいても立っても居られなかったので…!お大事にしてください!」
私はそれを見て無難に返事をして一眠りした。夢の中で私は走っていた。何に追いかけられているのかはわからない。でも、必死に逃げていた。とてつもない恐怖と焦りで追い詰められそうになっていた。逃げる道の先に扉が開いていくのが見える。
「クリスマスマーケットの写真アイコン画面にしたんですね!!」
早朝山上からそんなメッセージが届いていた。続いて
「めちゃくちゃ嬉しいです!ニヤけ止まりません!笑笑一昨日初めて会ったばっかりなのにもう会いたくてしょうがないです!」
私はそんなメッセージを見てこう返した。
「そんなこと言ってもらえてとても嬉しいです!私も早く会いたいです、16日が楽しみですね!」
「一緒に楽しい思い出作りましょう!末永く仲良くして頂けると嬉しいです」
「はい、仲良くしてください!」
私はこの後、服を買いに出かけた。次のデートで着る服を探して舞い上がっていた。
「麗華さん、今日何してました?」
「私はお買い物に行ってました!お洋服買ったんです〜」
「いいですね!新しい服楽しみにしてます!」
「楽しみにしててください〜」
「ホントに今度着てくれる服だったんですね!ちょっと自意識過剰かなと思いつつ送ってたので嬉しいです!!」
「そうですね、今度のための服選びでした」
「麗華さん、人を喜ばせるのが上手いですね〜。早く会いたいな〜。まだ会って間もないのに、最近は麗華さんから連絡が来るのが毎日の楽しみになってます」
「私も楽しみになっています!」
どうやら私だけではなく彼も舞い上がっているようだ。私は次のデートを楽しみにし過ぎていたかなと思っていたがそんなことはなさそう。すると突然彼がこんなことを言い出した。
「実はアプリももう消しちゃいました!これ以上の出会いは無いと思ったので!」
私は驚いた…。彼は続いてこんなことも言ってきた。
「ちょっと重いですかね笑?麗華さん、優しくて素直で可愛くて、本当に心から一緒に居たいな〜と思えます!」
私は急にそんなこと言われて驚きの連続でなんて返せばいいのかわからなかった。しかし、確かな好意を確認できた。その幸せを少し噛み締めて私は
「そんなことないですよ、私もとっても嬉しいです!」
「ならよかったです…いよいよ明後日、会えますね〜」
「16日何時集合にしますか?実はスケートに行きたくて…!」
「スケートですか!全然やったことないですけど行きましょう!麗華さんの言った時間で、何時でもいけます!」
「友達にデートするって言ったらオススメの美術館があるからそこに行っておいでよなんて言われたんです」
「行きたいです!!麗華さんの方からデートって言われるとホントにめっちゃ意識しちゃいますね!」
「10時とか早いですか?」
「全然いけます!!その時間でいきましょう!」
なんてやり取りをしていたら眠くなってきて寝落ちしてしまった…また夢を見た。今回は何も追いかけてきてない。だけど、暗い森で私は道に迷っていた。看板があったけど文字が読めなくて、どっちに進めばいいのかもわからない。だけどどこかから声が聞こえてきた。私は声に言われた方とは逆のところへ走って行った。そしたらこの前見た扉がまた開いて中の光が見えた。
「朝からデレデレです明日会えるの楽しみすぎます!!」
山上からこんなメッセージが届いていた。
「明日、私も本当に楽しみです!夜は近くにイルミネーションがあるみたいなので見に行きませんかー?」
「いいですね!これでお仕事頑張れそうです!行ってきます!当日はよろしくお願いします!」
私は当日までに入念に計画を立てた。彼とは乃木坂駅に集合することにした。12時くらいにカフェに行ってその後ミュージアムに行き、ゆっくり見て、17時くらいにスケートをしに行く。夜ご飯を食べて帰る感じにしようかなと彼にメッセージを送った。
「おはようございます!今駅に向かっています!」
当日の朝、山上からこんなメッセージが来てた。
「私も支度が終わって駅向かってます!家出るの少し遅れちゃって少し待たせるかもしれないです。すみません!」
「了解です!お気をつけて〜」
「お待たせして申し訳ないです!10:05に着くと思います」
「なんかドキドキしてきました!笑ごめんなさい!自分も10:05になります」
そう言って乗り換え案内のスクショを送ってきた。私は山上のスクショを見てこんなことに気づいた。
「待たせないようでよかったです笑笑もしかしたら、おんなじ電車かもしれないです!」
「ほんとですか!どのあたりにいますかー?」
「1番前の車両です〜」
「なるほど!こっちにきますか?」
私は今すぐにでも会いたいという気持ちがあったが、それは少し舞い上がりすぎな気がしたのでこんな返事をした。
「座っておきます!外でお会いしましょう」




