6-13.久々の全員集合
ガッ!!
沙紀の拳がカイザーたくあんの腹部にヒットする。
ドンッ!!バシッ!!
続いて綾の掌抵、冥介のブレードも漬物野郎の背中に直撃した。
「そんな攻撃、わだすには効かんでごわす!!」
3人を振り払い、カイザーたくあんが叫ぶ。
マジで効いてないようだ。
冥介の攻撃はともかく、沙紀と綾の攻撃が効かないとは…。
「こいつ…!!」
「もしかして、強い!?」
舌打ちする女2人。
冥介も無言のままカイザーたくあんを睨み付ける。
「へへへっ!どうだ!?手も足も出んだろう!?そいつは強ぇぞ!?」
で、一方のキヨスクはというと、まだ一生懸命反復横跳びを繰り返していた。
誰にも構ってもらえてないのに何だか得意げだ。
「おい、小物が何か言っているぞ?」
「小物は放っておけばいいですよ、それよりこの漬物をどうにかしないと!」
「あんな小物、後で片付ければ済むしね。」
…キヨスクが不憫だ。
「喰らうがいいっぺ!ぬおぉぉぉぉ!!大地の怒りィィィ!!」
カイザーたくあんが叫ぶと、地面から無数の雑草が生えてきた。
でも、それだけだ。
雑草からツタが伸びて襲ってくることもなければ、種が銃みたいに発射されることもない。
一体何の意味が…?
「草に引っ掛かってコケるがいいべ!!」
…うわぁ。
もの凄いギャンブル性の高い必殺技だ。
案の定、3人はコケることなくカイザーたくあんに攻撃を続ける。
「無駄だって言ってるだろぉぉぉっ!?オレの自慢の怪人、カイザーたくあんは弱点以外の場所への攻撃は一切受け付けねぇんだよ!!」
反復横跳びしながらキヨスクが叫んだ。
「弱点か。どう見てもあそこだよね。」
そんな彼の背後から声がし、影が1つ飛び出す。
右手に細い剣みたいなモノを持った影。
「歐邑、綾!ちょっと退いて!!」
漬物怪人に攻撃を加え続けていた2人に声を掛け、そいつはカイザーたくあんに突っ込んで行った。
そして手にしていた剣みたいなモノを、動きのニブいたくあん野郎の目に突き立てる。
「ぬぼぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
やっぱり弱点でした。
カイザーたくあんは悲鳴をあげ、蒸発するように消滅していった。
登場早々に怪人を倒したそいつは、たくあんの最期を見届けるとキヨスクに向き直る。
「あ、コレって…あの時の小物?」
トレーナーの胸に輝く蟹の絵。
そして手にしたロングドライバー。
そう、そいつは…。
「…全員、揃ったみてぇだな。」
キヨスクが反復横跳びを止め、ムカつく笑みを浮かべる。
「ここからが本番だ、ウゴクンジャーよぉ?」
綾、沙紀、冥介、そして週一。
キヨスクの前に今、ウゴクンジャー全員が集結した。
◇◇◇
「あれは…ダークキャン・D?」
モノ陰に隠れていた鎖雪が呟く。
記憶が正しければ、アレは地球制服にやって来たっていう宇宙人だ。
デザインといい間違いない。
「どうしてシュウが…。」
確か軍隊でも歯が立たなかったはず。
それなのに今、妹である自分から見てもあまり強いとは思えない週一が対峙しているのだ。
彼女は目を鋭く細め、身を隠しながら距離を詰めていった。
◇◇◇
「あたしはコイツと戦ったことないんだよね。センパイ、前はどうやって倒した?」
完全にキヨスクを舐め切っているのだろう、構えも取らずに沙紀が訊ねる。
「一生懸命威嚇してたけど、しばらく見てたら飽きたんだ。で、綾が捕まえてボコボコ。その後なぜか大根に化けたんだけど、先生が飼うとか言って持って帰ってさ。痛んでたから味噌汁にしたんだって。新しい大根と取り替えたとかワケ分からないこと言ってた。」
そう、前回は味噌汁になって逝去した。
そして社会情勢学研究所の植木鉢には本物の大根が『キヨスク』として栽培されているのだ。
「…4人も来る必要、なかったってコトね。全く、こんな朝っぱらから。」
沙紀は溜息を吐く。
綾と違ってちゃんと髪とかセットしてきてあるから、起きたのは多分彼女より早いだろう。
「愚痴るな。それよりさっさとコレを片付けるぞ。」
腕を掲げ、冥介が言った。
すでに手首にヒュドラと描かれている。
これでいつでも変身できるってわけだ。
「別に変身しなくても…まあ、いっか。最近変身してないし。」
週一も蟹印のバッグを開く。
綾と沙紀も仕方ないって顔をしてそれぞれのチェンジユニットを手にした。
「正義ッ!!接着!」
「接着!」
「接着っと。」
「…接着。ハァ…。」
カッ!!
眩い光×1と、しょぼい光×3が迸り、久々にウゴクンジャー全員が終結した。
…海月は不在だけど。
「進化の筋道逆走し、脊椎蹴って無脊椎!下等生物戦隊・ウゴクンジャーッ!!」




