表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION3-出会いと別れ-
52/69

3-16.思いがけない繋がり

消えていくファントム茸の遺体を見詰めながら青年はビーム果物ナイフに鞘を近付ける。

すると刃は一瞬で消滅した。

手を切る心配がないオドロキの安全設計だ。


「…終わり…ましたね。」


後ろから声が掛かる。

青年は笑顔で振り向いた。


「そうみたいだね。」


コノハに近付き、手を差し出す。

コノハはそれに掴まって立ち上がった


「どうして彼が消滅したかとか、この武器は何なのかとか、聞きたい事はいろいろあるんだが…まずは君の身体の状態だね。大丈夫かい?随分と多く怪我をしているようだけど。」


「平気です。画鋲が刺さっただけですから、血はもう止まりました。」


彼女はそう言うと…唐突に頭を下げた。


「ご迷惑をおかけしました。本来ならアレは私が始末をつけなければならなかったところを…。貴方の貴重な時間を裂いてしまったことを思うと、遺憾です。」


それに…。

彼女は思った。

地球侵略にやって来た自分が人間などに助けられたなんて、ダークキャン・Dとしてどうしようもない汚点だ。

情けなくて情けなくて…ダメだ。


「迷惑だなんて思ってないよ。まあ、パソコンは壊れちゃったけど、君を救えた。僕は自己満足かもしれないけど良かったと思うし、あれで君を放って逃げたら一生悔やんだと思う。だから変に悪く思う必要はないんだよ。」


「…。」


コノハは顔を上げる。

青年はやっぱり穏やかな笑顔でいた。


「それにしても…服もボロボロだね。血も付いちゃってるし。…良かったら家か警察まで送ろうか?」


「いえ、私は…、」


そう言ってカイネやウェキスも持ってたあのスイッチを取り出す。

でもあろうことか壊れていた。

何度も転ばされてるうちに壊してしまったようだ。


「…夜には仲間が迎えに来てくれると思います。」


「夜、か。それまでは?」


「こんな格好では目立ってしまいますから、どこか人の来ないような場所にいようと思います。…どこか、そういう場所を知りませんか?」


アジトに連絡しようにも、例のスイッチが壊れてるから不可能だ。

まあ、夜になれば誰かが心配して迎えに来るだろう。

カイネが来たらたっぷり嫌味を言われるだろし、ウェキスだったら笑われるだろう。

どちらも嫌だが…仕方ない。


「そうだね…、」


コノハの言葉を聞いた青年は少し考え、そして言った。


「そんな場所は知らないけど、目立たなくなる方法はあるよ。要はボロボロの服を着てなければいいんだから。…ところで君、この街は詳しいかい?」


「いえ、初めて来ました。今後のために道を知っておこうと思ったものですから。でも、それが目立たなくなる方法と関係が?」


彼は頷く。


「じゃあ夜まで僕とデートしよう。目立たないよう服を買って、街を一緒に探検しようか。僕にあった予定は…なくなったみたいだしね。」


一瞬壊れたパソコンを見る。


「え…?ですが私が街を知ろうとする目的は、」


言おうとするコノハの手を青年は取った。

爽やかな笑顔とは裏腹に結構強引かも。

でもコノハはそれを振り払おうとはしなかった。


彼女は思った。

地球侵略にやって来た自分が人間に助けられたなんて、ダークキャン・Dとしてどうしようもない汚点かもしれない。

情けないことかもしれない。

…でも、助けられた時にどうしてか知らないが、ちょっと体温が上がった気がした。

キノコに再び向かっていく青年を見た時、なぜか知らないけど胸が少し痛かった。

その後に戦ってる彼の背を見たら、手助けしたくなった。

そして気が付いたらビーム果物ナイフを使ってと叫んでいた。


その『なぜか』の正体を確かめるのもいいかもしれない。


「あ、自己紹介がまだだったね。僕はくりや。蟹令李厨。」


「私はダークキャ…いえ、私はコノハといいます。ええと…木下、コノハ。」


青年、厨が微笑む。

それにつられ、コノハも…微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ