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下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION3-出会いと別れ-
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3-14.仲間割れとはこれいかに?

「…困りました。」


大通りからちょっと外れた道で、外ハネと内ハネが混在するなかなか個性的な髪型の女性が困っていた。

地味目の茶色の服に、やっぱり地味なロングスカート。

そして片目には大きな葉っぱが傷を隠すように貼り付けられている。

困ったとか呟いてる割には声に感情が籠もってないその人の正体は…。

ダークキャン・D四天王のコノハだった。


「キノッコッコッコ!200年ぶりのシャバだモエ。」


彼女の前には人の背丈ほどもあるキノコが、しかも手足が生えて人面が付いてるキノコがニヤニヤ笑顔で立っている。

笑い声が不自然だ。

語尾も何かイヤだ。


キノコの正体は分かる。

こういう痛いデザインの怪物はダークキャン・Dの専売特許だからだ。

でも、そいつが何でコノハと対峙しているかが理解できない。


「ファントム茸、貴方は我々ダークキャン・Dの怪人でしょう。命令に従って下さい。」


コノハが言うが、ファントム茸は外人みたく、ハァン?って顔してかぶりを振った。


「ど~してこのファントム茸様がアンタの言うコト聞かなきゃならないのかモエ?オイがダークキャン・Dに入ったのはあの辛気臭いポピポ刑務所惑星から逃げたかっただけだモエ。シャバに出れたらもうアンタらは用無しだモエ。」


…どうやら複雑な事情のある怪人さんのようだ。

多分、こいつはこいつで何かの星人なのだろう。

ダークキャン・Dが製造した怪人ならこんなことは言わないはずだ。


「だいたいおかしいモエ。このオイはアンタらの作る怪人みたいなエセ宇宙人じゃないモエ?それなのに扱いが普通の怪人と一緒なんておかしいモエ。いくらアンタが“あの”コノハでも、オイが手下になるなんて思わないで欲しいモエ。幹部にしろモエ。」


「…幹部は四天王の4人だけの決まりです。まあ、今は1人欠番ですが、貴方にその大役は任せられません。」


「ふん、まあいいモエ。どっちにしろ、アンタらのいいなりはご免こうむるモエ。」


ファントム茸の手にやたら漫画チックな銃が現れる。


「…どういうつもりですか?」


「アンタには消えてもらうモエ。生かしておくと、ダークキャン・Dの連中が援軍に来るだろうからモエ?」


冗談とかお茶目さんってわけじゃなさそうだ。

コノハも片方しかない目でファントム茸を睨む。


「四天王コノハを、殺す?…できると本気で思っているのですか?」


「"その状態"のならできるんじゃないかモエ?宇宙の殺人鬼ファントム茸様を舐めないで欲しいモエ。」


2人の間の空気が張り詰める。

一触即発、まるでハブVSマングースのような雰囲気だ。

先に動いたのはファントム茸だった。


「死ぬモエ!」


銃を構えてたのに、なぜか突っ込んで蹴りを放つ。

ずんぐりむっくりな体型とは裏腹になかなか速い蹴りだ。

コノハは避けようとはせず…というかロングスカートだからあんまりキビキビ動けないんだけど、両腕で防御する。


ベシャ。


やな音がした。

で、悶絶顔をするキノコ野郎。


「のほッ!?あ…脚が拉げちゃったモエぇぇぇぇぇ!!」


どうやら体の硬さはシメジだったようだ。

これで宇宙の殺し屋っていうのはサギだ。


「終わりです。」


折れた脚を抱えて悶絶するファントム茸の傍らでコノハが右腕を掲げる。

緑色の光とともに、彼女の手に木の杭が現れた。

それで突き刺そうとしたその時、ファントム茸の口元が歪み、カサから白い煙が噴出した。


「!?」


思わず怯むコノハ。

そんな彼女の腹部に凄まじい衝撃が走った。


「!!」


吹き飛び、アスファルトに叩き付けられる。


「キノッコッコッコッ!!かかったモエね!?」


「…驚きましたが、効いてませんよ。」


次第に晴れていく白い煙の中、コノハは立ち上がる。

実際彼女に怪我はない。

腹部を直撃したあの衝撃だが、衣類にも損傷がないことからそれほど凄い攻撃ではなかったようだ。


「効いてないモエ?それはどうかなモエ…。」


煙は晴れた。

そこには余裕の表情のファントム茸が立っている。

さっき拉げたと思った脚は綺麗に元通りになっていた。


「どういう意味ですか?」


「こういう意味だモエ。…転ぶモエ!」


「!?」


ファントム茸の声と同時にコノハが派手に転んだ。

石ころもなけりゃバナナもないのに。


「…何を…?」


訝りながらコノハは立ち上がる。


「もう一回転ぶモエ!!」


ずてん!


またコノハが派手に転んだ。


「…どうして私は転ぶのですか?」


眉を顰め、三度コノハは立ち上がろうとした。


「無駄モエ!転ぶんだモエッ!!」


ずてんっ!!


転んだ。

またしても。

…何かおかしい。


ようやく気付いたコノハをキノコ野郎はニヤニヤ笑いながら見る。


「気付いたモエか?そう、さっきのビームはオイの必殺技モエ。喰らったが最後、オイの掛け声ひとつで絶対に転んでしまうんだモエ!!」


何て恐ろしくもアホらしい能力だ。

でも大丈夫。例によって怪人たちはアホだから、その能力を活かすなんてできないはず。


「オイはこの能力で運転中の宇宙飛行士や宇宙運転手を転ばし、大惨事を引き起こしたモエ。そうだモエ、オイがこの星を支配するモエ。逆らうヤツはみんな転ばして、全ての交通機関を麻痺させてやるモエ!!」


頭よかった!!地球ピンチ!

ひとしきり喜んだ後、ファントム茸は再びコノハを見下ろした。


「その前に、アンタを殺すモエ?キノッコッコッコッコォォォォ!!!」


地球もピンチだが、コノハさんはもっとピンチ。

このままこんなカッコ悪い怪人にやられてしまうのか?

四天王なのにウゴクンジャーと1回も会わずに逝去してしまうのか?


結果は後ほど。

【初登場キャラ】

・ファントム茸

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