表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION15-一大決心-
207/211

15-6.一大決心の結果

「お待たせ。」


コンビニから出てきた綾は店の前で待たせていた週一に声を掛けた。

このアホ娘はトイレに行っていたのだ。

しかも週一が急いでるってのに、待ってなかったら怒るとか脅迫して。

綾も加えれば沙紀とビイを止めやすくなるっていう考え方が甘かった。

逆に遅くなってる(実際は手遅れになってる)し。


「うん、そっか。やっぱり頼んで正解だったよ。…うん、無理言ってごめん。分かった。でも、お礼はするから。」


綾の声に反応しないと思ってたら、週一は電話で誰かと喋ってた。

でも綾が近付いて来る前に会話は終了したみたいで、通話ボタンを切る。


「あ、もしかして沙紀ちゃんと話してた?ケンカをやめるように電話で言ったんだね。やっぱ間に合いそうもなかったし。」


そう言う綾だったが、自分が間に合わなくなった要因の1つであることには気付いてない。


「違うよ。でも…もう安心みたい。歐邑が僕を呼び出した理由がまだよく分からないけどね。」


「ふぅん。何だかよく分からないけど、良かったね週一君。まあ、呼び出した理由は行ってみれば分かるって。出発出発。」


「だね。」


安堵の溜息を漏らしながらも週一は笑った。

それにしても…もう止める必要はないって分かったのに綾も同伴?ってことは…。


…何だか沙紀が可哀相だった。


◇◇◇


「ああ。手は出さずにおいた。いや、大したことではない。…フフッ、気にするな、礼など要らん。そうか?…そうだな、ではまた楽しい話でも聞かせてもらおうか。コノハが最近は向こうに行ってばかりで暇なのだ。ああ、ではな。」


カイネは電話を切った。

そして要塞の窓から見える海を見詰める。


「…それにしても、鈍いな。ウゴクンジャー蝶もクリティカル定食も妙なヤツに入れ込んでしまったものだ。」


彼女は目を細め、軽く笑った。


「まあ、私も人の事は言えんがな。」


…やたらいいタイミングで沙紀&ビイの争いを止めに現れたカイネ。

どうして彼女があの時、あの場所に現れたか。

なぜ戦わなかったか。

もしかすると、その理由は…。


◇◆◇


1時間後。


駅前のハンバーガーショップに週一と沙紀。

そして…綾はいた。


「美味しいでしょ?この新作ウナギバーガー、一度食べたら病みつきだよね!でも、ちょっと高いからそうホイホイ買えないの。」


ハンバーガー片手に笑う綾。

彼女の話を聞いていた週一は、ふと自分の斜め向かいの席に座る沙紀を見た。


「あれ?歐邑…どこか調子悪い?何だか微妙な表情してるけど?」


「え?あ、そう見える?ははっ、別に何でも…、」


ぎこちない笑みを浮かべ、沙紀はそこまで言って言い淀んだ。


「ん?」


「別に何でもないって。うん。」


「?ならいいけど…。」


感情の機微なんて分かるわけない週一はその答えに納得し、再び綾との会話を始める。

そんな中、沙紀は大きな溜息を吐き出し…恨めしそうに横目で綾を睨んだ。


「…何で綾さんまで来るのよ…。」


誰にも聞こえないような小さな声で呟いたが、それはやっぱり誰にも聞こえず、綾は相変わらずのテンションで喋り続ける。

帰る気配とかはもちろんゼロだ。

こうして沙紀の一大決心は、見事に玉砕したのでした。

めでたくなし、めでたくなし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ