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下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION1-夏だ!海だ!!全員集合だ!-
152/156

10-11.圧倒的な温度差

ポーカー10連続最下位を喫した週一は、1人甲板に出ていた。

と、マナーモードにしていた携帯が震える。取り出してみると、

よく分からない紋章が映し出されていた。登録した覚えがないのにいつの間にか入っていたエンブレム。


…カイネからだ。


「ん?何か用?」


普通に出る週一。

敵から掛かって来た電話に普通に出るって、何だか根本から間違ってるような気がしないでもないけど、まあコイツだからOKだ。

馬鹿だし。


『海は楽しんでいるか?』


ディスプレイに優しい笑顔のカイネが映る。


「うん、おかげさまで。それで…何?まさか戦うとか?」


『今日は襲撃しないと約束したからな、約束は守る。今日は別の要件だ。』


「?」


『さっき、アメリカを征服したのでな。何か欲しい物があったら言ってみろ。アメリカで手に入る物なら何でもいいぞ?土産に持って行ってやる。』


…四天王が攻めてた国ってアメリカだったようだ。

しかも買い物に行って来たみたいな軽い口調で征服宣言してる。


「…征服って、冗談だろ?アメリカ征服できるんだったら僕の住んでる街とかって1秒で征服されてるし。」


さすがの週一も怪訝な顔で言った。


『冗談か。まあ、そう取ってもらっても構わん。どうせ表に出すことなく傀儡国家にして、表向きは今のままで継続させるつもりだからな。』


カイネは可笑しそうに微笑み、そして再び訊ねた。


『まあ、とにかく欲しい物はないのか?ないなら、私が独断で選んだ物を土産にするが。』


「う~ん、じゃあ任せるよ。くれるなら何でもいいや。」


『そうか。では楽しみに待っていろ。』


もう話は終わりかと思い通話を切ろうとした時、彼女は思い出したように言う。


『そういえば、ホワイトハウスをお菓子の家に変えた時、大統領とか言う男が我々のアジトに向けて“核ミサイル”とかいうモノを撃ったのだが…あれは何だ?微弱な放射性物質と、初歩的兵器レベルの爆発力を持っていたが?切羽詰って何でもいいから攻撃を、とでも思ったのだろうか?』


…アメリカは核ミサイルを放ったらしい。

ちなみに2222年、兵器は従来の火薬兵器に加え、レーザー系の武器とかも現れており、どっちかっていうと主流はそっちだ。

核は忌まわしき過去の遺産とかで封印されていたはずなんだけど…。


「核って…。ええと、放射能とか致死みたいな気がするんだけど。爆発力も。」


『放射能などで死ぬ生き物がいるのか?爆発力も、あの程度ならアジトにある設備で2分で作れる。ふむ、どうやら地球と我々では価値観が違うようだな。あれは一応、やつらにしてみれば強力な兵器だったということか。』


少し感心したように呟き、彼女は付け加える。


『まあ、どちらにせよ核兵器はもう意味をなさない。地球全体に一定以上の熱と放射能を無効化するフィールドを張ったからな。それに伴い、開いていたオゾンホールを修繕しておいた。我々の征服する地だ、オゾン層のあちこちに穴が開いていては見苦しいからな。』


一定以上の熱を無効ってことは、温暖化ストップってこと。

放射能も無効化だから核施設とかでの事故もなくなる。

で、オゾン層は修復されたという。

ダークキャン・D、人類が何年も悩み続けてきた課題を一気に解決してる。


「何だかよく分からないけど凄いっぽいね。」


でも週一君にはそれがどれだけ凄いことか分かってないようだ。

コイツがもし頭のいい人間だったらダークキャン・Dを賞賛するだろう。


「じゃあ、もう切るよ?僕はそろそろポーカーをリベンジしなきゃいけないんだ。」


『分かった。ポーカーか。頑張れ、週一。…ではな。』


カイネは再び優しい微笑みを湛えて言った。

で、通信が切れる。

携帯電話をポケットにしまい、週一は大きく伸びをした。


「さてと、中に入るかな。…次こそ勝ってやる!」


◇◇◇


『あ、厨さん…。』


厨の携帯電話ディスプレイには微笑むコノハの姿が映っていた。


「やあ、コノハ。ちょうど君の声が聞きたいと思っていたんだ。」


例の穏やかな表情で言う。

毎度の事ながらラブラブだ。

…ダメなんだけど。


『今、仕事でアメリカにいるんです。明日帰るので、厨さんは何か欲しいお土産ありますか?』


「ああ、あるよ。どうしても欲しいものが。」


『何でも言って下さい。』


厨は微笑んだまま少しの間答えなかった。

で、ほどよい間を取った後、口を開いた。


「君だよ。」


『え…?』


「君に、早く無事で帰ってきて欲しい。他に欲しいものなんてないさ。」


『厨…さん…。』


第三者が見ていたらそっちが赤面しそうな会話だ。

でもこれは携帯電話。

邪魔するヤツも傍観するヤツもいない、2人の世界だ。


『はい…。私も、厨さんに早く逢いたいですから…。明日、一番に逢いに行きます。』


本当なら例のスイッチで瞬間移動できるコノハ。

でも厨には自分がダークキャン・Dだって教えてないから使うわけにはいかない。

これでも一応、自制しているのだ。


「コノハ…。」


『厨さん…。』


ディスプレイ越しに見詰め合う2人。

今日は場所が離れてるからいつもみたいな展開にはならなかった。

…とは言っても、明日に持ち越しになっただけなんだけど。

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