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下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION9-めでたしめでたし-
138/150

9-9.サイバー忍者の挑戦状

翌日。


「…来たでござるか。ウゴクンジャー。」


萌木公園の街灯の上に立った黒ずくめ男は、駆けつけた冥介を見下ろして呟いた。


「フッ、あんな派手な挑戦状を叩き付けられてはな。」


冥介がニヒルに言う。

すると黒ずくめの男…っていうか、どこからどう見ても忍者なそいつは飛び降りて来た。

で、どこからか手裏剣っぽいモノを取り出す。


「拙者はダークキャン・D怪人、サイバー忍者・甲。お主らウゴクンジャーを倒すためだけに作られた無敵の忍者でござる。」


「丁寧に自己紹介か。では俺も名乗るべきだな。…俺はウゴクンジャーヒュドラ。最強と謳われる剣士だ。」


2人はゆっくりと構えを取る。

サイバー忍者・甲(例によってどこがサイバーなのかは不明)は指の間に手裏剣を挟み、何だか八方手裏剣とか投げるような格好をし、冥介はヒュドラブレードを発動させる。


「忍法!隠れ身の術!!」


ボフン!


サイバー忍者・甲の叫び声と共に煙が爆発し、彼の姿を隠した。


「何!?」


で、冥介の方は驚いた。

てっきり手裏剣を投げつけるかと思ってたのに、いきなり隠れ身の術を使いやがったのだ。

煙が晴れていく。

そこにサイバー忍者・甲の姿はなかった。


「…。」


冥介は目を細めると、ヒュドラブレードの光刃を消す。


「強敵だな。まさか戦闘開始直後に隠れ身の術を使うとは…。」


やっぱりニヒルに言って去ろうとした時、彼の肩を誰かが叩いた。

まさかサイバー忍者・甲!?とか思ったら、そいつの正体は週一だった。


「遅れてすいません。あの、ダークキャン・D怪人は?」


「蟹か。…さっきまでサイバー忍者・甲とか言う怪人がいたのだがな。隠れ身の術を使って消えたんだ。」


「隠れ身の術?」


週一は眉を顰めながらも公園内を見渡す。

で、ちょっぴり疲れたような顔をして言った。


「…あの、あそこにどう考えても不自然なモノがあるんですけど。」


指差す先にあったのは…木だ。

公園のド真ん中に、何の伏線もなく立っている。

あんな場所に木があったら邪魔以外の何物でもないだろう。

実際、あそこに木なんて生えてなかった。


「そうか?木など他にも生えているだろう?」


「じゃあ、試しに刺してみましょうか。」


ロングドライバー…蟹ブレードを取り出し、週一はその木に近付いていく。

そして。


ブスッ!


綺麗に刺さった。

何だかダンボールを刺したみたいな感触だ。

その瞬間、木が煙っぽくなって弾け、忍者が悲鳴をあげながら飛び出して来た。


「ぐはぁぁぁぁぁっ!!?せ、拙者の術が!?」


「やっぱり。」


苦笑いする週一。

サイバー忍者・甲は片腕を押えながら飛び退いた。


「くっ!拙者の術を見破るとは…お主、まさか甲賀の…!?」


もちろん甲賀とか伊賀とか週一には全く関係ない。

小学校卒業レベルの脳味噌を持っていれば見破れる隠れ身の術だ。


「何だかマトモに受け答えしてると頭痛くなりそうだから無視。」


週一はそう自分に言い聞かせ、サイバー忍者・甲に向かって突進する。

何だかさっきのでコイツの実力が知れたから強気で行くのだ。


「御免ッ!!」


バシッ!


そんな週一に、誰かが横から跳び蹴りをかました。


「うわっ!?」


でもよろけるだけで済む。

何とも弱い衝撃なのだ。


「甲、忍たる者、決して表に姿を見せてはならないでござる。忍とは即ち影。闇に潜み、奇襲することこそが正道でござる。」


週一を蹴ったヤツが着地しながら言う。

何とも冷徹な女の声だ。

それもそのはず、そいつは見たまんま…くのいちだった。


「乙!?お主も来たのでござるか!」


「当然でござる。我らサイバー忍者・甲・乙・丙は一心同体。3体が融合することにより、最強のサイバー忍者、『無双』になれるのでござるからな。」


くのいちはニヤリって笑う。

どうやらクリティカル定食・エイ&ビイみたいに複数怪人のようだ。

しかも融合して強力な怪人になるとか言ってる。


「なっ!融合だと!?」


そういうカッコいい言葉にはすぐ反応する冥介が叫ぶ。

サイバー忍者・甲は彼の方を向くと笑みを浮かべた。


「そうでござる。甲は男忍者で『隠れ身の術』を。乙はくのいちで『水蜘蛛の術』を。そして丙は忍犬で『仮死の術』を。その3体のサイバー忍者が融合するのでござるよ。最強の無双となれば力と速さは10倍に、忍術も『土遁』に『火遁』、何でも思いのままでござる。」


とにかくやたら強くなるってわけだ。恐ろしい。

でも何で最初からその『無双』になって襲ってこなかったか、謎だ。


 「そんな!!」


 「くそっ!思い通りにさせてたまるか!!」


週一&冥介が声をあげる。

と、その時だった。


「あ、2人とも来てたんだ。」


公園の入り口からの声に2人は振り返る。

そこにいたのは綾だった。

…何かの死体みたいなのを手に持ってる。


「あのアドバルーン見たんだね。あ、そういえばコレ。多分怪人だよ。日本語で話し掛けてきたし。一応倒しといた。」


それは犬みたいなヤツだった。

…もしかしてコレがサイバー忍者・丙?


「!?…丙!?」


「丙ではござらんか!?」


叫ぶ甲&乙。

やっぱりそうだったみたいだ。

週一と冥介は顔を見合わせ、そして笑みを浮かべる。


「…残念だったな、サイバー忍者。融合の相手は甲虫がすでに始末したようだ。」


「これで融合して『無双』とかいうのにはなれないね?」


いきなり倒された状態で現れた仲間にさぞやガックリきてると思いきや、サイバー忍者の2名はニヤリと笑った。


「…甘いでござるよ。」


「!?」


その余裕っぷりに週一は少したじろいだ。


「さっき言ったでござろう?サイバー忍者・丙の忍術は『仮死の術』だと。そう!今まさに丙はその術を使っているのでござるよ!!」


「なっ!?」


「さあ!術を解いてこちらへ来るでござる、丙!!そして最強の『無双』に、」


そう言った瞬間、綾が持っていたサイバー忍者・丙はバシュって音を立てて消滅した。

…何だか嫌な沈黙が流れる。


「…え?」


「丙?それって『仮死の術』を使ってたんじゃ…?」


なかったようだ。

本当にご臨終していたっぽい。

どこまでも続く沈黙の中、綾だけが状況を理解してない顔をして首を傾げていた。

【初登場キャラ】

・サイバー忍者・甲

・サイバー忍者・乙

・サイバー忍者・丙

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