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下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION8-四天王補欠-
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8-7.『超戦略型自律兵器』カライド

その頃、豪邸廃墟には冥介が1人歩いていた。

崩れた庭園、ひび割れた壁、午前中の今はお化け屋敷というよりも静謐な印象を受ける。

廃墟には何かそういうモノがあるというのは本当らしい。

諸行無常の響きありって感じだ。


「やはりな。」


唐突に彼は呟く。


「やはり俺にはこういう場所が似合う…。」


自分に酔ってらっしゃるようだ。

まあ、確かに冥介はルックスがいい。

夏だっていうのにマントみたいに長い黒のジャケットを羽織って風に靡かせているのも似合っている。

でも、意味もなくこんな場所に来て自分に酔うのはちょっとアホだ。

事実アホだけど。


「ウゴクンジャーの人だよね?」


そんな冥介に突然声が掛かった。

彼はバッってジャケットをわざわざカッコよく翻して振り返る。


「…何者だ。」


「はじめまして。」


そこにはロシアっぽい帽子を被った小学生くらいのガキンチョがいた。

左腕と右足がギミックな機械になってる。

普通のガキンチョじゃないことだけは確かだった。


「ダークキャン・D四天王補欠、『超戦略型自律兵器』カライド。今後ともよろしくね。」


カライドはそう言うと腰のホルスターからSFっぽい銃を抜く。


「敵ということか。いいだろう。相手になってやる。」


冥介もベルトに付けていたヒュドラブレードを取る。


「斥力銃!!」


バヒュン!


「ヒュドラブレードッ!!」


ヴンッ!!


カライドの銃から放たれた光線を、ピンクの光刃を現したヒュドラブレードが弾き飛ばす。

何だか映画のワンシーンみたいだった。

でも、冥介の剣技が凄まじかったのではない。

光線が50km/hくらいの速さだったからだ。

ノロい光線だったってこと。


「…。」


2人はそのままの格好で対峙する。


バヒュン!バヒュン!バヒュン!!


カライドの銃から連続して光線が放たれる。


キンッ!キンッ!キンッ!!


その全てを冥介はヒュドラブレードで弾いた。

そして3発目を弾いた瞬間、彼は地を蹴りカライドとの間合いを詰める。


「おぉッ!!」


気合の声と共に冥介はブレードを振り下ろす。


ガキンッ!!


しかしそれはカライドのメタルな左腕に止められた。

何でか知らないけどバチバチと放電音がブレードから響く。

カライドが銃をガラ開きの脇腹に向ける。


「…ッ!!」


冥介は身体を捻って1回転して離脱した。

一瞬遅れ、光線がさっきまで冥介のいた場所を貫いていく。


2人は再び間合いを広げた。


「…それなりの実力はあるようだな。」


ニヒルに笑みを浮かべる冥介。

何かカッコいい戦いをしているのでその笑みも映える。

まあ、実際はどっちもノロいからレベルは高くないんだけど。


「ウゴクンジャーかぁ。キヨスクやみんながてこずるわけも分かるなぁ…。」


カライドは無表情のまま言った。

冥介は鼻を鳴らす。


「…フッ、もうお前の力は分かった。次で終わらせてやろう。」


「ボクの力が?嘘だぁ、ボクまだ50%の力しか出してないんだよぉ?」


「ふん、負け惜しみを。」


ヒュドラブレードをゆっくりと構える。

きっと戦闘においては全く合理的じゃない構えだろう。

でも見た目は格ゲーのキャラがやるようなカッコいい構えだ。


「負け惜しみかどうかは、その目で確かめてよぉ。」


カライドはそう言うと、口元を歪めた。


「…出でよ、『ファリア=リート』。」


空中にヒビが入る。

そしてそのヒビは一気に広がり、まるでガラスが割れるように空間が…割れた。


◇◇◇


「またく、最悪ネ。ああいうヒト見ると、ダークキャン・Dが人間支配するていうのも悪くないて思うヨ。」


権下君を伸したビイは出前自転車で店へ向かっていた。

商店街は歩行者が多いから通りにくいため、住宅街を走っている。

胸ポケットからは携帯電話のストラップが垂れている。

少し前まで無一文の貧困生活を送っていたのに、すでにこんなモノを手に入れているのだ。

その順応度には感心させられる。


「…ううん、やぱりだめネ。ああいうヒトはどうなてもいいアルけど、カニさんや師匠みたいな凄くいいヒトは絶対だめアル。ダークキャン・Dは人間支配しちゃいけないヨ。」


独り言を言うビイ。

彼女は自転車を漕ぎながら携帯電話を取り出した。

…メールはないし、着信履歴もない。

ってことは今のところ出前の用事はないようだ。

これなら少しくらい遅くなってもいいだろう。

カグヤがいることだし。


ボンッ!!


その時、突然爆音が聞こえた。

ブレーキを掛け、彼女は立ち止まる。

方向は…確か豪邸の廃墟がある方向だった。


「…何アルか?」

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