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下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION8-四天王補欠-
123/153

8-3.変わった人達のオンパレード

「マイの名はセンチメンタル霧吹きミネ。お前にも名乗らせてやるミネ。」


どこがセンチメンタルだか分からない霧吹き野郎は言った。

場所を少しだけ移動し、住宅街の外れに来ている。


「僕はウゴクンジャー蟹だ!怪人め!お前の野望は僕が止めてみせる!!」


子供の髪型をリーゼントにするっていう野望を止めるヒーロー。

あんましカッコよくない。


「ウゴクンジャー蟹ミネね?覚えておいてやるミネ。…マイに倒された無様なウゴクンジャーの名としてな、ミネ!!」


そう言って突っ込んで来る。

どうやら髪型をリーゼントにする技は子供限定のようだ。

だから霧吹きに足が生えてるだけのコイツにできる攻撃は体当たりしかないのだった。


「えい。」


週一は蟹ブレードを突き出した。

それは勝手に突っ込んで来たセンチメンタル霧吹きに深々と突き刺さる。


「なっ!?ば、バカな…ミネ…!?マイの攻撃が…見切られるなんて!!」


顔がないから苦しんでるのかどうなのか不明だったけど、霧吹き怪人は少し悶えて卒倒した。

で、そのまま動かなくなる。

死んだらしい。


「……。」


週一は少しだけ空しそうな顔をして、蟹ブレードのブレード(金属部分・もちろん切断力ゼロ)を消した。


◇◇◇


ヒュッ!


チンパンGの大振りで威力のなさそうな攻撃を葦和良はかわす。

普通なら当たってもダメージないような気がするが、彼女は普通の人間。

防御力無視してダメージを負うので避けるしかない。

加えて短刀での防御もできない。

本来なら業物で簡単には傷つかないこの短刀も、ダークキャン・Dの攻撃だと折れてしまう。

あの厄介な特性はモノにも有効なのだ。

それこそがダークキャン・Dが始末に終えない所以だった。

鋼鉄だろうがダイヤモンドだろうが、それが“作られたもの”や“地球の生物が(意図、偶然関係なく)動かしたもの”なら簡単に破壊できてしまう。

実際にやる凶悪なヤツがいないのが救いだが。


「…。」


葦和良は2体のチンパンGの攻撃をかわしつつ、しかしヤツらの注意を引き付けて週一の方に行かせないようにと定期的に攻撃を加えている。

何とも細かい芸当だ。


「お待たせしました!」


そこへザコキャラだったセンチメンタル霧吹きを倒し終えた週一が駆けて来た。


「蟹令李様。あの霧吹きのような怪人は倒されたのですね?」


「はい、もう子供の髪型がリーゼントにされることはないでしょう。まぁ君は可哀相でしたけど、散髪行けばOKです。じゃあ…後は僕に任せて下さい。」


週一は葦和良の前に進み出ると、再び蟹ブレードを握り締めた。


◇◇◇


「ん?お前は確か…蕎麦屋の。」


酢昆布を大量に買い込んでコンビニから出てきた冥介は、ばったりとヤツに出くわした。


「あ…、こんばんはアル。」


誰かってのは言わずもがななんだけど、そろそろ実名公表。

このヒヨコ柄のラーメンどんぶりを被って拳法着を着た酔狂な蕎麦屋の店員は、クリティカル定食・ビイ。

元ダークキャン・Dの怪人だ。

どうやら蕎麦屋に就職したらしい。

彼女は乗っていた自転車(出前仕様)を降りた。


「出前か?」


「その帰りネ。ああ、そう言えば昨日アナタの紹介で来たていうお客さんが来たヨ。ホントに宣伝してくれたアルね、嬉しかたアル!」


ビイはにっこり微笑んで頭を下げた。

やっぱりラーメンどんぶりは落ちない。

まあ、こんなことで落ちたらコイツの人生はすぐにエンディングを迎えちゃうんだけど。


「そうか。で、来たのはどっちだ?女が1人か、それとも男が4人か。」


「男のヒトが4人だたネ。でも不思議だたアル。4人とも何かコソコソしてて、サングラスとかしてたヨ?」


冥介はニヒルな笑みを浮かべた。


「ああ、マスコミにバレないようにしていたんだろう。全く、顔が知られるとロクなことがないからな。あれで奴らも大変なんだ。分かるだろう?」


「どういうことアルか?」


「お前…テレビを見ないのか?」


ビイはかぶりを振った。


「ワタシ、テレビなんて持てないネ。ラジオならあるヨ。狂言と能は最高アル!」


随分と和な趣味だ。

着てる服は拳法着だけど。

でも冥介が驚いたのはそこじゃなかった。


「テレビがない…。そうか、あの4人が誰だか分からないわけだな。」


「特殊なヒト達だたアルか?全員マッチョなウサギの刺青、手の甲にしてたから変わた集団だとは思たアルけど…。」


そう言うビイは少し小首を傾げていたが、やがてまた元気だけは有り余ってるっていう笑顔を浮かべた。


「ま、いいアル。その4人もまた利用したいて言てくれたし、常連さん候補増えたからそれだけで嬉しいアル。」


「そうだな。まあ…奴らにしてみれば知られていないのは残念だろうが、好奇の目で見られないのは幸福かもしれん。いい店を見付けたというところか。」


ビイは再び自転車に跨ると、再度頭を下げた。


「それじゃ、また寛和蕎麦よろしくアル!今度、卵1個サービスするネ。」


「ああ。またな。」


結構なスピードで去って行くビイ。

冥介はそれを見届けると息を吐いた。


「…あの4人を知らないか。変わった娘だな。」


そう言って笑みを浮かべる。

誰も見てないっていうのに、やっぱりニヒルな笑みだった。

【初登場キャラ】

・センチメンタル霧吹き(名前初登場)

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