表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION8-四天王補欠-
122/150

8-2.リーゼント光線とバナナボム

「まぁ君が!私の可愛いまぁ君が!!」


30代くらいの女性が、まぁ君まぁ君と泣き叫んでいる。


まさかダークキャン・Dが子供を誘拐!?とか思ったけど、違った。

女性の前には立派なリーゼントになった3歳くらいのガキンチョがポカンとして立っている。

十中八九、今度の怪人の能力でリーゼントにされたのだろう。

何にせよ、泣き叫ぶようなことではない。


「ホロホロホローッ!!マイのリーゼント光線で全ての子供の髪型をリーゼントに変えてやるミネ!」


…変な笑い声&変な語尾の怪人は、巨大な霧吹きみたいな奴だった。

まあ、それらに関してはダークキャン・Dのアイデンティティーみたいなもんだから別に構わない。

でも何故に子供限定でリーゼント化計画を目論むのか?そこが分からん。


「そこまでだ!怪人!」


ビシッと怪人を指差しながら週一は叫んだ。

まあ、コイツの能力が世間に何か脅威を与えるのか不明だけど、とりあえず倒さなきゃってわけだ。


「ん?お前が噂になっているウゴクンジャーかミネ?」


どこが顔か知らないけど多分霧吹き口が顔だろうそいつは振り返った。


「僕が噂になってるかは知らないけど、ウゴクンジャーだよ。」


きっと噂になるのは蝶や甲虫だ。

蟹とヒュドラは戦闘に置いて全然目立つ成績を収めてないから除外されているだろう。

でも自分がウゴクンジャーってことだけは確かだ。


「ホロホロッ!今日は1人みたいだミネ?チンパンG、出て来いミネ!」


霧吹き怪人の声と共に、どこからか3体のチンパンGが降ってきた。

微妙な数の戦闘員だ。怪人のレベルによって与えられている戦闘員の数が決まっているのかもしれない。


「3体か。何とかなるかな…。」


週一はポケットから20cmほどの棒を取り出した。

そしてスイッチを押して50cmほどの金属棒が現れる。

例のロングドライバー、名付けて『蟹ブレード』だ。


「行くミネッ!!」


チンパンGが一斉に襲い掛かる。

週一は素人感丸出しの振り方で蟹ブレードを振った。

もちろんドライバーなんだから切断力とかはゼロだけど、殴ればそれなりに痛い。

無防備で突っ込んできたチンパンGは腹とか頭に一撃ずつ喰らってたじろいだ。

でも…たじろぐだけだ。

Pマーモセットなら倒せる攻撃だが、チンパンG相手では致死の攻撃じゃない。


ボコッ!


チンパンGの気合の攻撃が週一にHITする。

コイツらの攻撃は弱いけど、週一の打たれ弱さは折り紙付き。

ダメージを負う。


「くっ!?負けるか!!」


少しよろけた週一だったが反撃する。

今度は突きだ。

ドライバーの先っぽは尖ってるのでチンパンGの腹に突き刺さった。

消滅するチンパンG。

残りは2体だ。


「蟹令李様!」


その時、背後から声が掛かった。

葦和良だ。

彼女もこっちへ来たらしい。


「葦和良さん!?ダメですよ!ダークキャン・Dはいくら葦和良さんでも…!」


人間相手なら一騎当千だろう彼女でも、ダークキャン・Dは…。

しかし葦和良さんは後腰から短刀を引き抜いた。


「存じております。ですが足止め程度なら出来ます。…蟹令李様は敵主力を。」


NOって言えない口調&雰囲気だった。

だから週一は無言で頷く。

それに奴を野放しにしておいたら、罪もない近所の子供たちがリーゼントにされる。

散髪に行けば別にいい気もするが、散髪代が勿体ないだろう。

実に下らないレベルの正義感を胸に、週一は霧吹き野郎に向き直った。


「よし!お前は僕が相手だ!!」


◇◇◇


「めきゃきゃきゃきゃ!オイ様のバナナボムで世界を牛耳ってやるウキャ!」


所変わって商店街。

巨大なバナナの中心にサルっぽい顔がついた怪人が暴れていた。

暴れていたって言うよりは、道にバナナの皮をバラ撒いている。

ゴミのポイ捨ては確かにいけないことではあるんだけど怪人がやることではないし世界は牛耳れない。


「世界の全ての者め!このバナナメテオ猿様の設置したバナナボムで立ち上がれなくなるまで転ぶがいいウキャ!」


…そういうことだそうです。

要はバナナの皮で滑って転べってこと。

マンガの世界ならともかく、実際はそんなヤツいないんだけど、バナナの皮をバラ撒くのに悦になってるバカ怪人は気付いてない。

それどころか自分の悪役ぶりに酔いしれているようだ。


「んん~っ?何だ、女かウキャ。」


1000枚目のバナナの皮を投げ終えた時、バナナメテオ猿は背後から歩いてきた人物に気付いた。

そしてその人物を見下すような目付きで愉快そうに笑う。


「めきゃきゃ!愚かなやつウキャ!!わざわざこのデンジャラスゾーンへ迷い込んでくるとはなウキャ!?さあ!為す術もなく転ぶがいいウキャ!!」


ぐしゃ。


その人物はバナナの皮を踏んづけた。

でも、バナナ(怪人曰くバナナボム)が潰れただけで当然ながら転ばない。

だからバナナメテオ猿は不機嫌そうな顔をする。


「どうして転ばないウキャ?このバナナボムを踏んだヤツは絶対に転ぶはずウキャ!転ばなきゃおかしい、」


グシャッ!!


そこまで言った時、またバナナが潰れた。

でも今度のバナナはバナナメテオ猿さんだった。


「へぎゃっ!?」


変な声を漏らして卒倒する怪人。

可哀相に一撃死してしまっている。

そんなバナナメテオ猿の遺体を見下ろしながら、その人物は拳に付いた血を払った。


「…ったく。ロクなヤツがいないね。ダークキャン・Dの怪人って。」


息を吐きながら呟くのは…やっぱり沙紀。

しかも機嫌が悪そうだ。

彼女は消滅していくバナナメテオ猿を一瞥すると、道に散らばるバナナの皮を足で払い除けながら去って行った。

…こうして何だかよく分からないうちに、今日の商店街の平和は守られましたとさ。

めでたしめでたし。

【初登場キャラ】

・霧吹きみたいな怪人

・バナナメテオ猿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ