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下等生物戦隊ウゴクンジャー  作者: 深爪リオ
SECTION6-悪の再臨と謎の少女-
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6-16.敵艦の奪取!目標は米怪人

「…面倒だね、これは…。」


装甲が蟹や甲虫より厚いし、しかも生身だって彼らよりは打たれ強い蝶が身体に当たる銃撃をものともせずに呟く。

さっきまではキヨスクが疲れるまで待っていればよかった。

あの回避は確かに最強だが、攻撃してこないからこちらからアプローチしない限り意味をなさない。

だから動きが止まった時に捕まえて殴ればそれで倒せたはず。

でも、今は…。


ヴァンカ=ヒールが命令を受けて攻撃を仕掛け、それを指揮するキヨスクはウゴクンジャーの攻撃を避け続ける。

まあ、ヴァンカ=ヒールの攻撃はどれも大したものじゃないけど…ウザい。


「あのミニ飛行機を墜とせば!!」

「いくぞ!蟹ッ!!」


珍しくいいところに気付いた蟹&ヒュドラ。

そこら辺に落ちてた石を拾い、ヴァンカ=ヒールに投げつける。


バシュッ!!バシュッ!!


でも蝶の予想通り、石はミサイルで撃墜された。

補助戦闘機って時点で予想していたが、やはり。

ショボいスタンミサイルでも石ころを迎撃するくらいは出来るようだ。


「なっ!?」

「迎撃装置だと!?」


パパパパパッ!!


驚く2人に銃撃が襲い掛かる。


「痛い痛い痛いっ!?」

「くっ!!?」


尻やら頭やらバシバシ撃たれて逃げ回るアホ2名。

甲虫はというと、撃たれるのが嫌だから再びモノ陰に隠れている。


「どうしよう沙紀ちゃん!!あの小動物、凄くウザいのに手出しできないなんて!!」

「…本当にどうしようね。」


蝶は反復横跳びを繰り返すキヨスクと、蟹&ヒュドラを追いかけながらドライアイス弾を乱射しているヴァンカ=ヒールを見て呟いた。


「ヴァンカ=ヒール!!そいつらにドライアイス弾を撃ちつつ、ミサイル全弾をウゴクンジャー蝶にブッ放せ!!」


バシュバシュバシュバシュッ!!


同時4発のミサイルが蝶めがけて襲い掛かる。


「チッ!!」


さすがに4発全ては叩き落せない。

蝶は舌打ちし、防御する。

しょぼい爆発が立て続けに彼女の身体に炸裂した。


「もっともっとォ!!」


バシュバシュ!!バシュバシュ!!


連続して放たれるミサイル。

ドライアイス弾は装甲の厚さや打たれ強さで効かない蝶だが、電撃は多少なりとも喰らう。

ヴァンカ=ヒールのスタンミサイルは強くないんだけどそれでも連続だから結構痛かった。


ボンボンボンボンッ!!


何発も着弾し、煙に包まれる蝶。

ダメージはそれほどでもないようだが、余裕ではないようだ。

何よりウザい。


「さ、沙紀ちゃん!?くっ!米怪人め!!」


モノ陰から飛び出す甲虫。

でもミサイルが彼女めがけて飛んできたらまた隠れた。

卑怯だ。限りなく卑怯だ…。


「へへっ!!どうやらオレが圧倒的に優勢みてぇだな!?ハァハァ…、このままお前らがくたばるまで…ハァハァハァ!」


…何だかキヨスクの息があがってきている。

でも皆さん攻撃されてて気付かない。


「ゼェゼェゼェッ!!ヴァ、ヴァンカ=ヒール!もっと連射だ!!ハァハァッ!!くそっ、リモコン持っての絶対回避は体力消耗が…ハァハァ、激しすぎるぜ!!」


ただでさえちっこくて(60cm)体力なさそうなキヨスクだ。

ヴァンカ=ヒールのリモコンは20cmくらいあるので、彼にとっては身長の3分の1ある巨大な器具を持っての反復横跳びってことになる。

疲れて当然だ。


そんな疲れが足に来たか、キヨスクはリモコンを落っことしてしまった。


地面に落ち、滑っていくリモコン。

キヨスクは焦った。

こんな状態をウゴクンジャーに見られたらリモコンを破壊されてしまう。

リモコンからの命令にのみ反応するヴァンカ=ヒールはそうなったらもう使えない。

…でも、蟹&ヒュドラはまだ尻と頭に銃撃を浴びて逃げているし、蝶はミサイルに足止めされている。甲虫もまだ隠れているから見られなかった。


「…やべぇやべぇ。コレがねえと操作できなねえんだよな。」


ホッと胸を撫で下ろし、リモコンを取りに行こうとするキヨスク。

と、リモコンは彼の目の前で何者かに拾い上げられた。


「!?」

「コレは…?」


その何者かは、見たこともない少女だった。

どっかのボーイスカウトっぽい格好をしている。

ウゴクンジャーではないようだが…。


「何だお前!!一般人か!?返せ!!それがねえと命令できねえんだぞ!!」


「どういうこと?」


「ヴァンカ=ヒールはそのリモコンからの命令に従うようプログラムされてんだよ!!」


「…誰からの命令でも?」


「そうだ!返せ!!返せよ!?」


キヨスクの言葉を聞き、少女は口元を綻ばせる。

そしてリモコンに向かって言った。


「ヴァンカ=ヒール。攻撃やめ。」


その瞬間、ヴァンカ=ヒールは全ての戦闘行動を停止した。


「痛い痛い痛…、あれ?」

「銃撃が…止んだ?」


立ち止まる蟹&ヒュドラ。


 「…何が…?」


晴れていく煙の中、呟く蝶。

モノ陰から顔を出す甲虫。

そして…青褪めるキヨスク。


「敵艦の奪取に成功。…ヴァンカ=ヒール、目標変更。目標は…米怪人。」


キュイン…


ヴァンカ=ヒールの銃口がキヨスクに向けられる。


「くっ!!ぜ、絶対回避!!」


キヨスクは反復横跳びを始める。


「くそっ!この泥棒!!これはダークキャン・Dの備品だぞ!!」


「ドライアイスマシンガン、撃て。」


パパパッ!!!


銃弾がキヨスクに襲い掛かる。

でも回避能力だけは最強なキヨスク、全部避けられる。


「う、撃ちやがったな!?だが、リモコンさえ取り戻せば…、」


そう言ったとき、少女は意味ありげな笑みを浮かべると再びリモコンを口へと持っていった。

そして…、


「ヴァンカ=ヒール。私の肉声にも従え。」


「!?く、くそっ!!」


リモコンを取り戻そうと、慌てて少女に飛び掛るキヨスク。

しかし少女は一瞬早くリモコンを上空へと投げ捨てた。


「ヴァンカ=ヒール!!リモコンを破壊せよ!!」


バシュバシュバシュバシュ!!!


…ムンクの叫びみたくなってるキヨスクの目に、リモコンに向かって飛んで行くミサイルの姿が映っていた。

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