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『選択するのです…。』
厳かな声が響く。
暗い洞窟に浮かぶ、光の球。その前に立つ人影は何かを手に掴みながら、その光と対峙していた。
『貴方は偶然という必然に選ばれた、最初の1人。選択する権利は貴方にあります。』
2者のちょうど中間の場所に、何か鞄のようなものが浮いている。人影は自分が掴んである何かに気をかけながらも、その鞄のようなものを見詰める。
『さあ、選択するのです。これを使うか、受け取らずに去るか。』
人影が1歩、踏み出す。
「選択肢なんて、」
片腕を伸ばし、それを手にした。
「―――――――― 選択肢なんて、ないさ。」




