戻れよ姿勢。さよなら膀胱。

直らぬ姿勢、終わらぬ腰痛

––––腰が。腰が痛い。それに頭も痛い。頭に血が上った時に感じる、あのジンジンとした痛みだ。

––––何故だ。何故これほどまでに痛いのだ。自分の体に一体何があったというのか。

　一体、ここはどこだ？　なぜ痛み以外の感覚がない？

　いや、そもそも––––

　––––––––俺は誰だ？

□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆

「––––––––はっ！」

突如、意識が覚醒した。

と、同時に引きつったような腰の痛みと、頭に血が上った時のようなジンジンとした痛みに襲われる。

この痛みにより、自分が置かれた状況を瞬時に理解する。

どうやら、自分は今、変な姿勢をしているらしい––––と。

この姿勢が痛みの原因ならば、姿勢を元に戻せば痛みは消えるはず…なのだが、

（あれ…姿勢をうまく戻せない…、ち、力が、入らな––––）

––––直後、今度は強烈な違和感に襲われた。

幸《さいわ》い、違和感の正体はすぐに分かった。

なに、視界が上下反転していたのである。

あー、…なるほど。今度こそ、完(・)全(・)に(・)理解した。

先の情報を訂正しよう。正しくは––––

この痛みと視覚情報により、自分が置かれた状況を瞬時に理解する。

どうやら、自分は今、「ブリッジ」の姿勢をしているらしい––––と。

そして、何故か姿勢が戻せないことも––––。