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再生

作者: みのり

車のフロントからの差し込む光で目が覚めた。ここは、いつかあいつと来たいと思っていた浜辺だ。昨日からの仕事の疲れがまだ残っている重い体を持ち上げて近くにあった自販機で買ってきたジュースを飲み干す。毎日の仕事に追われ、思えばこんな風に海を眺めることなんてながいことなかった。あいつと結婚して子供にも恵まれ、順調な日々だったが、何かが満たされていない気がしていた。そんな矢先、唐突に仕事先での携帯に妻、事故のため死亡の知らせが届いた。急いで病院へとむかったが後の祭りでなすすべもなかった。悲しみのあまり、しばらくは仕事をすることに没頭しようと半ば決意してがむしゃらに二年あまり働いてしまった。しかし、上司との折り合いも悪く、今まで妻がやってくれていた家事、子育てがどんなに大変だったかも思い知らされた。このままでは、仕事にも影響が出ると、妻の実家の母へ子供を預けることになったが、もう会えなくなってから一年半もたつ。そんなことに思いを馳せて土曜の夜に車を飛ばし、いつのまにか妻が言っていた浜辺まで来てしまっていた。


何かをやり直したい・・ふとそんな気分になって

いた

何をなのかははっきりしない

妻との生活か、いや、彼女は死んだのだからもうそ

れは不可能だ

子供との生活なのか、それもやはり、お互いに愛情

の絆はあるとはいえ現実的に育てるとなると・・・


しかし、いったい何をこんなにがんばってきたのだろう。この二年間、ただ悲しみと向き合うのが怖くて ひたすらに仕事をしてきた。だからといって、今の状況に決して満足することはできないのだ。

誰かが、そろそろ真剣に向き合えばと言っている気がした。妻に生前、愛してると面と向かって言ったことなんか一度もなかった。最近の若い連中みたいに愛情表現をやたらするもんじゃないと思っていた。後悔なんかしたくないと思った。しかし、やはり心のどこかで悔いていた。

2009年に書いたものをはじめて公で発表しました。

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