超短編集1
1
昔々空には龍が、海にはクラーケンがおりました。陸には人が居ました。
三者は関わることなく生きておりましたが、いつしか人は科学を発展させました。
人は科学の代償をまず海に放出しました。しかし、人は水が飲めなくなることに気づき、海に放出するのをやめました。けれどクラーケンは死んでしまいました。人は次に空に放出しましたが、今度は龍が死んでしまいました。残ったのは陸だけです。これまでクラーケンが片付けてきたバクテリアの死骸や龍が片付けてきた宇宙からのゴミも陸に押し寄せてきました。やっぱり次に死んだのは人でした。
宇宙にいたエイリアンはその光景を見て、バカなことやってるなぁ、と思いました。
2
一組の男女がコトに勤しもうとしたとき、不意に男が言った。
なんでこんなに興奮するんだろう
本能じゃない?〇〇くんも動物ってこと
どうしてこんな本能があるんだろうね 最高さ
こうやって子づくりするためっ 早くっ
子を作って、命を繋げていって、その先になにか目的でもあるのかな
どうしたの? 宗教でもかじった?(笑)
いや、待てよ そもそも子作りの本能を持たない生物はすぐ絶滅するんだ!だって新しい命を作らないから 子作りの本能をたまたま持ってた生物が繁殖してるだけなんだよ そこに目的なんて何もないんだ!
え、どうしたの
ごめん、考え事したら冷めちゃった 今日はもう終わりにしよう
なんなの!!
3
係長 首尾は?
平社員 厳しいです
係長 なるほど
課長 首尾は?
係長 かなりの努力が必要です
課長 なるほど
部長 首尾は?
課長 彼らの努力次第です
部長 なるほど
専務 首尾は?
部長 できないことはないかと
専務 はっきりしたまえ
部長 可能です
社長 できそうかね?
専務 できます!
社長 よし行こう!
4
どうして怒っているんだい?
蜂に刺されたのよ!
どうして哀しんでいるんだい?
また蜂に刺されたの、アナフィラキシーショックを起こしてしまうわ!
どうして喜んでいるんだい?
また蜂に刺されたけど、なんともなかったの!
なにがそんなに楽しいんだい?
うふふふふふ、ほほほほほ、はははははは、ちちちちち、はちはちはちブーンブーン!