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フィクションに影響を受けて政治活動をやるのは馬鹿だけだよ!!

作者: HasumiChouji

「え〜、では『萩下サツキのラジオ時事砲弾』の時間です。本日のゲストは表現規制問題を扱ったマンガ『田舎者は有害』の作者である井筒達也さんです」

「あ、どうも……」

「井筒さんの『田舎者は有害』が話題になるのと並行して、首都圏の一都三県と関西の二府四県の都府県議会に、いわゆる『有害コミック規制条例』が提出され、成年向けコミックの規制が厳しくなる可能性が出てきた訳ですが……」

「ええ……まぁ……何と言いますか?」

「それで、『田舎者は有害』ファンの皆さんがSNS上で『有害コミック規制条例』廃案を目指す活動を始められていますね」

「まぁ……僕としては困った事なので……」

「えっ? でも……井筒さんの『田舎者は有害』の内容からすると、井筒さん御自身は表現規制に反対の立場では?」

「そうですが……僕があの作品で表現規制は必要無いと云う理由としてあげているモノの中に『フィクションの影響を受けるような人達は居ても極少数の例外であり、無視して差し支えない』と云うのが有りますので……」

「それとこの件の何の関係が有るのでしょうか?」

「いや……だって……僕の作品とは言え……フィクションに影響を受けた人達の活動の結果、十もの都府県の条例が廃案に追い込まれたりすると……その……」

「御自分の作品が社会に与えた影響に戸惑っている、と云う事でしょうか?」

「それも有りますが……フィクションが人に影響を与えると云う実例が出来てしまうと……成年向けコミックの規制を目論んでいる人達に、この実例が利用されかねないので……」

「えっと……よく判りませんが……」

「だって……フィクションが元で多くの人達が政治活動を始めて、その政治活動が成果をあげてしまうと……じゃあ、成年向けコミックの影響で、性犯罪を行なったり、女性を軽んずるような言動を行なう者は少数の例外なのか?と云う議論になりかねませんので……」

「ええっと……では、井筒さんとしては、今回の条例は、どう思われますか?」

「僕の漫画を読んで、条例廃案運動をされている方は……冷静になって欲しいです。はい。今回の条例の成立を阻止出来ても、それがフィクションに過ぎないモノの影響で起きたのなら……条例が成立してしまう以上の禍根を残しかねないと思います。僕の作品の影響で条例廃案運動をやっている方は、即刻、運動から手を引いて下さい。僕は、フィクションに政治を持ち込むなと云う立場だし、扇動者にもなりたくないので」

「ああ、なるほど……。井筒さんは、たまたま御自分の作品を想起させるような事が現実で起きたとしても、御自分の作品は、あくまでフィクション……それも政治性の無いフィクションとして楽しんで欲しい、と云う立場なのですね」

「そうです、僕の作品は、あくまでフィクションです。フィクションと現実を混同しないで下さい」

「なるほど……所で、私は大のアメコミ・ファンなのですが……」

「えっ? それが何か?」

「井筒さんの『田舎者は有害』には『ポリコレでアメコミは駄目になった』と云う一節も有りますが……井筒さん御自身は、この一節は、フィクションと現実のどっちだと思われているのでしょうか?」

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