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狂科学者のお泊まり


 入学試験の前日。


 俺は馬車に揺られていた。

 

 学園もとい王立魔法学園。

 そこは貴族平民問わず裕福な家柄または特殊な魔法の才能を持つ者達が修練する場。


 約四年の学ぶ期間を経て一流魔法使いの育成を目的とした場所だ。


 まあぶっちゃけ俺には必要ないが、

 こういう所に行っておけば将来役に立つらしいので行くわけだ。


 問題は......


 「ハル君っ! 試験頑張ろうねっ!」

 




 メルガルト公爵の馬車に乗せられているこの事態。


 後ろをついてくる馬車には父さん達両親が乗っているが、俺だけこっちに来させられた。


 俺に何を期待しているのか知らんがメルガルト公爵本人が承認したため俺が断る術はない。

 これが権力ってやつか......



 「おいお主、ユアが話しかけているのだぞ? なんか答えんか。」

 「あ~ハイハイソウダネーガンバロウネー」


 いじめか?

 絶賛公爵家にパワハラを受けている俺、可哀想。


 まあタメ口OKだからまだましだけどな。

 


 面倒くさいのでマジックサイトを掛けてさっさと沈黙する。

 俺からは向こうが見えるが、向こうからは俺の視線が分からない状況なので、とても静かだ。


 暇だし研究所の監視カメラでも覗くか。

 


 ふむふむ......実験体には特に異常は無さそうだな。

 指示した通りに栄養剤は与えられているようだ。


 助手達も日常業務をこなしているようだ。

 それに配布したマジックサイトをつけている。

 感心感心。


 


 ......見終わってしまった。

 以外と時間が潰れないので、今度はメインコンピューターのプログラムを弄って改良していく。


 最近プログラムの量が増えてきたせいもあって処理が大変そうだったから、少し整理するのだ。


 「ハル君? 着いたよ?」

 「おう、わかった。」


 おお、予想通りしっかりと時間は潰せたようだ。

 今日から結果が出るまでの数日、公爵家とのコネやら商会との友好の印やらでお世話になることになった公爵家の屋敷。

 その前で馬車は止まった。


 揺れまくるからなかなか尻が痛い。

 道も舗装されていないしな。

 今度サスペンションを付けた物でも売ってみるか。

 意外と利益が出たりして。


 

 

 ****


 「知っていると思うがわしの親友とその家族だ。事前に通達した通り数日泊まることになっているからその間世話をしてやってくれ。」

 「アランです。また数日世話になります。」

 父さんは普通に振る舞っているし、結構慣れているようだ。

 話を聞けば大きな商談をするときに世話になっていたらしい。

 


 玄関から入ればメイド達が両脇に列をつくって頭を下げ、待機していた。

 壮観だな。

 流石公爵家というだけあって比較的見目麗しい女性が多い。

 美しいの基準は左右対称であることにあるって聞いたことがあるが、そこら辺どうなんだろうな。

 後で顔を撮影しまくって評価してみるか。



 「誰か部屋を案内してやれ。」

 「では私めが。」

 「デビスか、頼んだぞ。もうじき食事だからお主達はそれまで部屋で適当に過ごすといい。」 


 「私はデビスと申します。この屋敷の執事として、御館様にお仕えさせてもらっています。以後お見知りおきを。」

 「「「宜しく。」」」

 

 一名の執事っぽい壮年の使用人に案内され、俺達は一人一つづつ用意された部屋に通される。

 「では、食事の準備ができたらお呼びしますのでどうぞごゆるりと。」

 

 そういって執事が退室すれば俺は部屋に一人っきり。

 暇なので適当に持ってきた歴史の本を開き、眺める。


 


 単調な情報の羅列にぼんやりしてくる頭。


 コクリ、コクリッ






 パタッ

 「すーーすーー」


 ハルトは歴史が大の苦手だった。



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