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狂科学者の十八番は限界突破。


 目覚めたハルトはベッドの上に寝かされていた。

 「いや何回目だこの(くだり)。」


 そう言いながらベッドの横のカレンダーを見やるハルト。

 「......まじか。まさか一週間も寝ていたのか。」



 その前に十日間徹夜して......か。

 凄まじいな超回復。


 物作りに熱中したせいでいつの間にか夜を何回かスキップしていたらしい。

 前世ではまず無理な芸当だ。

 カフェインがあっても八徹目でくたばった俺が言うんだから間違いない。


 

 あと、



 ギュルルルルルルルルル


 腹が減った。

 前世含め最大の空腹感だ。

 食事していた記憶がないし、一週間は絶食していたんだろう。

 


 「あ、所長、起きたんですね?」

 そう言いながら部屋にエマが入ってくる。


 「おう、よく寝た。」

 「全く......私は所長にどうこう言う立場ではないですが......もう少し御自愛くださいな。」

 全くだ。

 早く睡眠の代用となる薬を作らなければ。

 

 取り敢えずは

 「なんか食べるものをくれ。腹が減って死にそうだ。」

 腹拵えだな。


 

 そしてエマが運んできた食事を胃に収め、ハルトは工房に放置されていたゴーグル型魔道具を装着、起動する。


 『登録された魔力波長確認』

 『ID確認』 

 『初期プログラム読み込み開始』

 『思考接続』 

 『メインコンピューターとの接続完了。プログラムデータインストール開始』 

 『システム起動』


 次々と浮かび上がっては消えていくログの流れが終わり、閉ざされた視界は開ける。


 前面に設置されたカメラとマイクは様々な外部情報を統合して精巧な三次元の視界を網膜に作り出す。


 携帯電話よりも薄いサイズにこれ程の機能を積み込んだデバイスは前世を含め、世界初だろう。

 そういっても過言のない仕上がりだ。

 魔法で物理限界を突破した加工技術により圧縮された回路は、演算速度や記憶容量において前世のスパコンすらも僅かに上回る。



 名前は......まあ類似品もこれから開発するだろうし単純にマジックサイトで良いか。

 


 作成に要する技術の高さや性能、希少価値も加味すれば一つあたり数百億レアは下らないだろう。

 王家でも入手や運用は困難に違いない。

 だがそのような魔道具を気軽に複製するのがハルトクオリティー。

  

 助手用のマジックサイトも機能を少し制限したタイプでちゃちゃっと量産。

 これで学園からいつでも指示が出せる。


 ついでとばかりに父親と公爵の業務用には情報処理に特化させたタイプを作り出す。

 データバンクとなるサーバーと充填用魔力炉も一応用意して回線を繋げば一先ず完成だ。




 さて、反応が楽しみだな。


 そうハルトは悪戯っぽく笑うのであった。


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