狂科学者の生贄
ここはどこだ......
ぼんやりとする頭で男はそう考えていた。
依頼でニコラ商会のとこのガキが所長をしているらしい研究所を襲撃し、捕まったところまでは覚えているが、そこからの記憶がない。
目が覚めたらベッドの上で両手両足を拘束されていた。
魔法で抜け出そうにも猿轡を噛まされているため詠唱ができない。
唯一自由な首を使って辺りを見回すと、仲間も同じ様に拘束されている。
あの一瞬、
それだけで俺達は敗北したのだ。
いや、そもそも依頼を受ける前から襲撃の失敗は決まっていたのかもしれない。
受けるんじゃなかったと後悔してももう遅い。
魔法を封じられて拘束された今、俺達はなにもできないのだ。
秘密の抜け穴があるわけでも、何でも壊せる能力があるわけでもない。
......くそったれめ
考えることしかできない男は、己の選択を呪うしかできなかった。
「お、起きたか。」
内心で悪態をついていると突然視界に入ってくる例のガキ。
なぜかニコニコと笑っている。
一見純粋な子供の笑顔に見えるが、男の感覚は全力で警鐘を鳴らしていた。
そんなことはお構いなしにそいつは呟く。
「これはどうするか......」
数秒考えた後、
そいつはポン、と手を叩いて男に告げた。
「丁度人間用の生命維持装置のデータが不足していたし、こいつはそっちに回そう。」
だから取り敢えず、
―――首から下は、要らないよね?―――
その瞬間、首元に痺れを感じて男は意識を失った。
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