狂科学者のコンピューター開発(5)
次はコンピューター作りにおいて最も製作が困難であろうマザーボード作りだ。
正直言って何がどこに繋がっていたかなんて覚えていない。
動作原理やデータの流れる順番を覚えているだけだ。
前世では回路図をほぼ暗記していたが、どうも忘れてしまったようだ。
試行錯誤しなければならないだろう。
メモリーやSSD、HDD等にあたる重要な記憶ユニット類を片手間で作れたのは幸いだ。
より多くの時間をつぎ込めるからな。
正直言ってキーボードやディスプレイ等の入力、出力装置は楽勝だ。
動作論理も既に組み上がっている。
魔法技術とのハイブリッド化もできそうだし、今すぐにでも作れる。
今はベースとなるマザーボードの最終的な回路が予想できないのでこちらを先に作るがな。
マザーボードって言うのはコンピューターの背骨にあたる。
情報という感覚の入力をCPUと言う脳まで運び、情報という動作を出力する為の伝達経路だ。
前世ではこれを土台に好みのパーツを組み合わせることで様々な自作パソコンが作られていた。
大雑把に全てのユニットを繋ぐ回路を書いて、データ処理で起きうる全ての問題の発見とシミュレーション、修正を繰り返す。
この地味で面倒臭くて頭がいたくなりそうな作業をハルトは黙々と繰り返す。
日は既に沈み、また昇る。
助手達に糖分や飲み物を運ばせながら設計図にかじりつくハルト。
既に数日は徹夜をしている。
その目は血走っており、顔色も悪いが、助手達はその異様な迫力に押されて一切声を掛けられずにいる。
二日、三日、四日、
助手達が寝静まっても研究所の一角は明かりがついている。
そして五日。
助手が様子を見に行くと、
「所長!?」
ハルトは窶れた顔に満足そうな表情を浮かべ、爆睡していた。
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コンピューター関連の知識は作者がマイクラで計算機を作ったりメモリを作ったりして独学で学んだ内容がいろいろ入っているため、間違えているところもあると思います。よって何か気づいた方、コンピューターに詳しい方がいれば是非コメントをください!




