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狂科学者の義手強化。


 義手という極めてスペースが狭い代物にどうやって武器を積み込むか。

 新しく生まれた問題にハルトは頭をひねっていた。


 このエーテルキャノン、ちょっとばかり複雑なのだ。

 魔力の高速充填機構でタンク分のスペースも取るし、魔法陣も大量の魔力を通すように太く大きく作られているからな。


 魔法陣を収めつつ大量の魔力を流せる、そんな機構がないと小型化はまず無理だろう。

 

 さて、どうしたものか......



 まあ、定石通りにやるなら魔法陣の並列起動で魔力を一旦分散させて処理し、再度合流させるんだろうが......


 それでは表面積をバカみたいに取るから本末転倒だ


 表面積......縮小......並列処理......

 どっかに脳みたいな表面積を大きくしつつも体積を抑える工夫が転がってないか?


 あ、



 そうだ。

 前々から考えていたことがあったな。

 面倒くさかったから研究していなかったが良い機会だ、試してみよう。



 俺の考えていたのは魔法陣が丸いことを利用して二次元から三次元に処理層を積層化しつつ、実際は魔法陣一つ分の半径の球体に収めるというやり方だ。


 ただ作る行程が面倒くさくて俺の脳でも処理できない上に論理魔法陣を駆使しても時間がかかるだろうと思って放置していたのだ


  

 だがこのやり方だったらサイズを小さく収めつつ並列して高出力の処理が行える。




 問題は魔法陣同士が重なって干渉し合わないかということだが、平面が原則の魔法陣だし、大丈夫だろう。

 



 ****


 三日後、ようやく製法を確立した積層型魔法陣を前に、俺は伸びをした。


 連続で研究所に泊まり込んでようやく完成したのだ。

 その証しに俺の部屋の床は今、足の踏み場もないほど書き出した設計図で覆われている。


 刻み込む為の基板は従来のチップ型ではなく球体だ。

 従来のと同様に各部位に接続用の端子が飛び出している。

 

 刻み込める陣の数は50以上。

 今回は20もあれば十分なので申し分ない結果だ。


 これに波動エネルギー変換用の魔法陣を余裕を持って40ほど刻み、作っておいた義手の外装を外してフレームを露出させる。


 指を動かす人工筋肉を手首に集中させることで無理やりスペースを作り出したのだ。


 決まった部分に魔力を送ると展開し、砲身が飛び出すギミックだ。

 その根本に積層型魔法陣を嵌め込み、各種制御系と接続、高速充填機構も組み込む。

 高圧バッテリーは薄く加工してパワースーツに分散して配置、魔力ケーブルで義手と接続できるポートも製作する。


 仕上げに同じものを作って着込み、実験場で試射をする。



 問題なし。

 これで叔父さんの生存率はさらに上がるだろう。

 なんだかんだ言ってドラゴン素材は使い勝手がいいので、叔父さんに死なれては困るのだ。

 だが念のため認証機能は追加しておこう。

 叔父さんの許可と俺の許可が降りた瞬間に自爆するみたいな。

 使用許可がない人間が使うと全く動かないってだけでも十分ではあるが、やはり自爆はロマンだしな。

 

 一個作るのに約数十万レアはかかるが。





 

 

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