狂科学者、実験体を確保する。
「ここで......働く......ですか?」
「そう、この研究所で俺の助手として働く。三食給料付きで住み込みも可。給料は応相談だが、月に一万レア程度の額は保証するぞ。」
「そんな......助けてもらった上に雇ってくれるなんて......。」
私は夢でも見ているのだろうかと言わんばかりのエマ。
ま、そりゃそうだ。
この世界では一日二食は当たり前だし、安定した職に就ける可能性が低く、中の上でも月給は精々五千レア。
中の下に位置する人達にとっては垂涎モノの厚待遇だ。
今の助手達にも月に千レア程度は小遣いをやっている。
十歳も年上の人に金をやって小遣いと定義できるかは疑問だが、俺は前世含めれば30を越えたおっさんだ。なにも問題ない。
「夢じゃあないぞ。」
「ですが......私は何もできませんよ?」
「いや、あんたにやってほしい仕事はその義足を使うことだ。」
「......?」
「その義足は特別でな、理論上使い続ければ元の足同然に動くようになるはずだ。」
だけど作ったは良いが、本当に使えるか試す人がいなかった。
「不謹慎ですまないが、この仕事は足が無い者しかできない仕事だ。」
だからこそ
「この仕事は単純に見えて重要で、給料を渡すほどには価値がある。」
だから、
「ここで働かないか?」
「......わかりました。それだけで良いのであればここで働かせてください。」
「おう、よろしく。ここでの過ごし方は......こっちのエルシーに聞けば良い。」
よし確保。
「エマ、よろしくです。」
「よ、よろしくお願いします。」
「あ、でもしばらくはろくに歩けないだろうからエルシー、移動と訓練は手伝ってやって。」
「わかったです。」
「......お願いします、エルシーさん。」
こうしてハルトの実験t......助手は増えたのだった。
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