狂科学者、切断する。
「ただいま~。」
「おかえりなさいませ所ちょ......何を担いでいるんです......か?」
ミリアにそう聞かれたハルトは、
「ん? 拾い物。それより手術の用意をして。1番のセットで、大至急。」
「? ......わかりました。」
1番のセットというのは人間を手術するときの器具一式だ。
ちなみに実験動物は2番。
「あ、リエラは適当な義足を右と左両方持ってきて。倉庫の手前にあるから。」
「わかった。」
助手達に指示を飛ばした俺は担いでいた女を手術台に横たえ、麻酔をかける。
「取り敢えず......ポチッとな。」
研究所に備え付けられた魔力炉から供給される膨大な魔力は組み込まれた魔法陣を起動、手術台の上にある全てを殺菌する。
「所長......持ってきました。」
「持ってきたぜ所長。」
「そこに置いておいて。」
さて、
麻酔はかかったようだな。
「まずは脱がせるか。」
服は邪魔だ。
特に下は。
ふむ、大腿部の大半はまだ無事だったか。
よかったよかった。
接続するための骨がないとくっつけにくいからな。
まさか骨盤にボルトを入れるわけにもいかないし。
排泄と生殖機能を内臓ごと支える骨盤は大事だからな。
これならガーターベルトみたいな感じに固定できる。
よし、
治癒魔法で止血OK
腐敗組織の分離OK
神経組織の避難OK
では切断開始。
治癒魔法で生きている組織と腐敗した組織を切り離し、ノコギリで露出した大腿骨を切り落とす。
これを両足で二回繰り返す。
切り落とした足は取り敢えず生理食塩水の水槽へ殺菌の魔道具と一緒に放り込んで保存。
神経組織と筋肉を軽く整理してから傷口に義足との接続端子を埋め込んで皮膚を閉じる。
よし、第一段階は終了だな。
次は義足のチューニングをしなければ。
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