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狂科学者、拾い物をする。


 「ちょっと散歩してくる。」


 そういい残してハルトは散歩に出掛けた。



 ****


 「ん゛~」

 研究所の入り口で伸びをして、


 秋の空気を胸一杯に吸い込みながら、ハルトはあてもないまま歩きだす。



 研究途中だがまだ結果が出るまでしばらくかかるだろうから気分転換をと、散歩を始めたのだ。


 大通りを歩けば、いつも通りの活気のある声が耳に届く。

 屋台からは食欲をそそるいい臭いが漂い、剣を携えた魔物ハンター達が横を通りすぎていく。


 良い街だ。


 前世より快適かと言われれば否だが、慣れればそれほどでもないし、衣食住が一定水準で安定している。

 

 研究で正確な秤や物差し、パソコンがないのは不便だが、割りと鑑定眼でなんとかなる。



 衛生方面も商会が売り出しているエタノールと石鹸、消臭剤でどうにかなっている。

 前世の中世辺りはそこら辺最悪だったと聞くし。

 糞尿が道に垂れ流しになっているとか嫌すぎる。



 「ん?」


 横目で覗いた路地がなんとなく気になり、覗いてみると、



 「これは......敗血症か?」


 脚が全体的に黒く変色している女が倒れていた。

 顔色も悪く、このまま放置していれば明日には死んでいるだろう。


 戦争時は銃創などの傷口に泥が入って感染するケースが多発したらしいが、患者を実際に見るのは初めてだ。


 確か治療として麻酔なしの四肢切断という荒業が使われていたっけな。

 それでも手遅れだったり治療の出血が多すぎて死んだらしいが。



 ふむ......

 随分と都合の良いところに落ちているものだな。


 「おい?」

 「う......だ......れ?」

 「助かりたいか? なんなら足をやるぞ?」

 「......。」

 首を微かに縦に振っているからOKそうだな。


 ならば、




 ちょうど義足の開発が難航していたところだ。

 健常者の足を切り落としてくっつけるわけにもいかないからデータも不足しているし、

 治療ついでに実験体になってもらうことにしよう。

  

 

 ハルトは女に軽く治癒魔法をかけてから担ぎ上げた。




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