狂科学者、魔力を発見する。
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ
「ほんとに不思議な子ねぇ......」
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俺ことハルトは進化した。
もはや別の種族と言ってもいいのかもしれない。
女神にもらった超回復だが、この効果がとんでもなかったのだ。
バタバタ体操を始めて二日、始めたときには数十秒でダウンしたのにもかかわらず、現在は数分も持つようになった。
この差は大きい。具体的には二日で体力が数倍になったということになる。ついでに筋力も増えた。
おまけに副次的な効果なのか、疲労回復の速度も速く、睡眠も短くて済むのだ。
これを繰り返していけばおそらく一か月以内にちゃんと直立して移動できるようになるだろう。
これでようやく研究を開始できる。
......という前置きはひとまず横に置いておくとして、
なんと、魔力をつかめるようになったのだ。
これはバタバタ体操の副産物なのだが、指先すら動かせないほど疲れた時に偶然発見した。
心臓らへんの謎の活力みたいな感覚が気になって、なんとなく捕まえようと心の手で躍起になっていると、普通に動いたのだ。
おそらく女神がくれた魔法の素養もあるのだろう。
それを体内でいろいろ動かしていると、疲れたところに動かした瞬間、消費されて疲労が取れたのだ。
そして微妙に魔力が減った。
外に放出できることも確認できたので、体内の魔力を空っぽにしたりして魔力量の向上も同時進行で始めるとしよう。
もしかしたら寿命も延びるかもしれない。
俺の研究開始のために一分一秒たりとも無駄にできないのだ。
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「あなたっ! ハルトが魔力を動かし始めたわ!」
「それは本当か!? 宮廷魔導士殿でも4歳まで使えなかったのを......ハルトは将来、何か偉大なことをなす子なのかもしれん。これは親としてしっかりしないとな。」
「ふふ、そうね。将来が楽しみだわ。」
まさか自分の子供に神に認められた天才が宿っているとは気づきもしないで大騒ぎをしている親達であった。