狂科学者、タメ口解禁。
「こんにちわ~ユア様はいますか?」
「ハルトか、よく来てくれた。」
親父の旧友というのもあって前に大分打ち解けたので割とフランクに喋れるぜ。
堅苦しい話し方は嫌いなんだよ。
「今日はユア様を外にお連れしようと思って来ました。」
「......ハルト、お主にはユアの友人とになるようお願いした筈だが?」
あ、いいのか?
「良いんですか? 娘さんを呼び捨てにしても。」
「無論。大体、このわしに気さくに話しかけている時点で問題もあるわけないだろう?」
いや、だいぶ丁寧にしゃべっているぞ?
「そうですか。では公爵様とはどのように喋れば良いですか?」
「......お主にはもう少しその尊大な態度を隠して欲しいものだが......わしの調子が狂うから普段通りでよい。」
「そうか。ではこう喋らせてもらおう。」
瞬時に素を出した俺に驚くメルガルト公爵。
「それがお主の本性か?」
「その通りだ。」
「ふむ。とても五歳児とは思えない言動だが......そっちの方がわしも喋りやすい。許可しよう。」
やったぜ。
「で、ユアは何処だ? 取り敢えず昼まで俺の研究所で遊んでもらうつもりだが......。」
「......なに? 研究所だと?」
あれ?
「親父から聞いていないのか? ニコラ商会がこの街に商品開発部門の研究施設を建てたって話。」
「それは知っている。」
「そこの所長の名前は?」
「それはアランが教えないから知らん。......ってまさか、お主が......?」
ピンポーン
大当たり
「最近ニコラ商会が売り出した石鹸を含む新商品は、俺が開発したんでね。どうも、ニコラ商会商品開発部門直属研究所所長、ハルトです。」
「......お主はどこまでも子供らしくないな。アランもよくこんな扱いづらい息子を育てられたものだ。」
「あ、両親の前では猫を被っているんで宜しく。」
「......。」
こいつヤベエって顔で思いっきりドン引きされたな。
お陰で微妙な空気になってしまった。
コンコン
「パパ? ......っ!」
ドアを開けたユアは瞬時に俺の存在を認める。
「ハル君っ!! 約束守ってくれたんだね!」
「お、おお。」
なんかテンション高いな。
空気が一新されたぞ。
テンション高い奴の思考はよくわからん。
だから子守りは嫌いなんだ。
て言うかもしかしてこの過保護親父、礼儀作法とか教えていないのか?
余りにも自由奔放過ぎるんだが。
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